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切り替えテスト。 -- 2008-11-20 12 18 29 乙。前回とは打って変わって早いなw -- 2008-11-20 13 39 56 そろそろれいむ戻っておいで -- 2008-11-20 16 57 01 自分のペットを躾けるのに多少の体罰が介在しても仕方のないことだと思う。 でも、野生動物の(パークでは野生動物としての設定だ)嗜好を都合のいいほうに 矯正するのは虐待だろう。 愛でスレは虐待スレの分派であると聞いているので、多少の虐待設定が 混じっていても、それ自体は気にしない。 けど、その行為が虐待かそうでないかくらいは判別つけようぜ。 その上で作品を楽しむ分には構わないと思ってるんだが。 まあ、基本は虐待禁止のはずだから、認めたくない気持ちも 分からないでもないがな。 -- 2008-11-20 19 18 39 スレの流れ見てると、まだこのスレは両刀と一部の虐待スレの為の物なんだなって思った、 他の板にゆっくりファンスレ立てれば状況は変わるだろうけど、もう現状維持でいいやって思えてきた。 -- 2008-11-20 19 31 35 そこに俺が愛でで割って入ってやるぜ! そういう気概が無いのか不思議 -- 2008-11-20 19 55 35 パークのお兄さんがしてるのはゆっくりを虐げることを目的とした行為じゃないだろう。 「愛でるため」と称して不特定多数の野生動物をペット化して自分勝手に楽しんでるだけで。 これが虐待だと飼ってるだけでも虐待になるぞ。 ゆっくりのためを思えば良いことじゃないとは思うが、 そもそも本人があまりいい人物じゃないってのは、本人のモノローグにもあるしな。 -- 2008-11-20 20 05 03 とりあえず完結まで待てばいいんじゃないかと思いますよ -- 2008-11-20 20 24 58 有名税だな。人気がでたシリアス作品によくある現象だ。 -- 2008-11-20 20 27 48 賛否両論だけどここまで話に取り上げられるのは作家冥利に尽きるのかもしれない 俺も見習って止まってるSSをちょっとでも進めるか λ...... -- 2008-11-20 20 32 49 -- 2008-11-20 19 18 39は落ち着いて読むと、自分から釣り針ですって種明かししているのがわかる。 この程度のわかり易さをみんなも見習うように。 -- 2008-11-20 21 22 28 pixivROM専なのに、なぜかお気に入り登録されていた。 俺はゆっくり絵師を多くお気に入りに登録しているだけで、一枚も絵を投稿していないのに。 相手はお気に入り登録していたのは絵師ばかりで、その中でROM専なのは俺だけだった。 いったい何故俺なのだろうか不思議でしょうがない。 -- 2008-11-20 22 52 50 それ別の場所で見たことあるが、ブックマーク扱いってことらしい。 まあ別の可能性もあるのかも知れんが、俺の見た例ではそういう結論だった。 -- 2008-11-20 23 05 08 >パークのお兄さんがしてるのはゆっくりを虐げることを目的とした行為じゃないだろう。 それは確かだな。 だけど、虐待かそうでないかは悪意の有り無しで決まることじゃない。 虐待あっても愛で作品として成立してりゃいいじゃん。 それを必死に否定することもないだろうに。 -- 2008-11-21 11 26 06 ちょっと論点ずれかもしれんけど、この流れ見て、パークの作者さん気 悪くして離れたりしないでほしいな…… パーク以外でも、れみりゃの友達とか、妖立~とか、個人的にもかなり 粒ぞろいの話があるし ちょっと本音言うと、自分じゃ真逆の方面のSS書いてるが、「ゆっくり の帰る所」読んだのが、自分でも書き始めたきっかけだったんだよね これからの作品も、「パーク」の終着点もぜひ見届けたい -- 2008-11-21 11 39 37 現実の話をたとえにしよう。 動物愛護団体は、野良猫を捕まえて去勢手術をする。 これ自体はひどいことかもしれない。だけどコレは人間と野良猫が 折り合いを付けて共に生きていくための確実な方法だ。 だからパークのあれは、れみりゃと他のゆっくりが共に生きていく ための確実な方法。 だから虐待じゃない。OK? -- 2008-11-21 12 34 49 虐待があっても愛で作品として成立つ場合もあることはあるでしょうけど、 けど、ゆっくりパークのあれを虐待と言うのには違和感を感じます。 正直、国立公園かなにかで、園内の生態系のバランスを保つための梃入れの様にしか思えない。 それを"虐待"と言うのは人によって違うんでしょうが。 -- 2008-11-21 14 44 35 つーか、また読者様(笑)が作者を追い出す流れか?これ -- 2008-11-22 09 35 35 またこんな流れになってんのか? 少しは学習しろよ・・・ -- 2008-11-22 09 49 38 長くここに居て学習した人達は荒れてるだけの意見なんて スレ内のにしろチル裏のにしろ全然相手にしてない。ただスルーしてる。 だって、結論は 文句が有るなら自分で絵とか文とかを書いてみて、自分なりのゆっくりをアピールしろ。 になるからね。 何処のとか関係なく偏った意見の人がこういう時だけ湧いて来てるだけ。 あと、作品に対する感想なら作品につけられたコメントでどうぞ。ちゃんといい面も悪い面も見られた上で批評されたら 作者としては真摯に取らざるを得なくなるしね。書き手としてもいい反省材料にもなる。 ついでに、この流れを拒否するならまだカレーの話の方でも振ってくれた方がゆっくりを愛でる文のネタになるよ。 -- 2008-11-22 16 31 48 2008-11-22 16 31 48 <何処のとか関係なく偏った意見の人がこういう時だけ湧いて来てるだけ。 これ本当にそのとおりなんだよな。前にちょっとゆっくりが辛い目に合うssが 投下されたときにそういうssや作者は追い出せっていう人が現れた。 その人の意見では、大事なのはスレの存続であってそれに従わない作者は出て行け ってレスをしていて空恐ろしくなった。本末転倒だよな。 あれが荒らしじゃなくて本気で言っているのだとしたらぞっとする。 大事なのは場所じゃなくて人だろうが・・・。 カレーパンマンみたいにおかずを分けてくれるゆっくりいないかなー。 子供の頃はカレーパンマンが吐き出すカレーをみてトラウマになったものです。 -- 2008-11-22 16 53 45 口に材料を含み後ろを向くゆっくり。 「もーぐ、もーぐ、もーぐ。ちーん」 そういい終わると何かを吐き出した。 「できあがりだよ!!」 なんとカレーが何故か皿の上に乗って出て来たのだ。・・・ なんかカレーパンマンと言われつつもそこからこんなの思いついてしまった。 -- 2008-11-22 17 50 30 さぁお食べなさい! そういうや否やそのゆっくりは私の前で二つに裂けたではないか! 少し空腹だった私は半分だけ食べた。 ふと残った半分を見るといつの間にか戻っていた。 という小ネタが見えた。 -- 2008-11-22 17 59 52 カレーですか……そうですか。 それでは、私のカレーにまつわる失敗のお話をいたしましょう。 ある日の事、うちの子達にカレーを作ってあげたんですよ。 なんとかの王子様とかお姫様とか、そんなかんじのを。 もう本当にお子ちゃまが食べるようなやつだったんですが……どうも口に合わないようで。 ひと口掬って食べさせてあげると、辛すぎるとの反応。 あれ、おかしいな…… うちの子達が辛いものが苦手だってことは当然知っていましたし、 ちゃんと味見もしたのですが、そのカレーには辛味など少しも感じません。 まぁ味覚なんて子どもの頃からすれば、刺激に鈍くなっているものでしょうけれど。 そんなわけで、その日は普通にご飯とサラダだけを食べさせました。 翌朝、私はお鍋を前に悩んでいました。 そんなに辛いかなあ? ペロリとカレーを掬ってみますが、やっぱり甘い。 うーん、と唸っていると、ふと懐かしいフレーズが浮かび上がってきたのです。 (リンゴトハチミツ~!) こ、これだ! 起きだしてきた子達に、早速出来上がったそれをさし出します。 じっと見つめる私の前でパクリ。 ・ ・ ・ 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~♪」 よかった……! カレー:ハチミツ=1:9 マジカルブレンドの完成ですっ! ともすると他の家族達も起きて来たようで、寝ぼけ眼を擦りながら私に話しかけてきます。 「早苗……あたし達のご飯は?」 「あ」 残ったのは、余程の甘党でもないと食事には出来ない様な甘ったる~い混合物。 そんなわけで、その日は普通にご飯とサラダだけを食べさせましたとさ。 ――そういう失敗の話。 こんな感じ? wikiのカレー項目とかS Bとか見てきたけど、ナカナカ面白かった。 -- 2008-11-22 18 02 28 途中まで普通の体験談かと思ってたらSSでしたかw 乙です。 にしても、ほぼ蜂蜜のカレーとは……恐ろしい。 -- 2008-11-22 21 28 51 SSも絵も手につかない時、なぜかAAに走ってしまう。 これぞ「試験前の部屋掃除」の法則……ッ! くーきよまじゅにごめんにぇ! -- 2008-11-22 21 32 22 赤ちゃんの人の絵って いろんなところで見るような気がするんですけど、 個人サイトとか持ってないんですか? -- 2008-11-23 19 24 53 SSと小ネタの違いって何なんだ? -- 2008-11-23 22 01 31 スレに直接投下されたのは小ネタだと思う。 以前ふざけて書いたネタがここに載ってびっくりしたw -- 2008-11-23 22 16 48 多分、明確な基準は存在しないかと。 即興の人の作品とか、以前は小ネタに分類されてましたし。 -- 2008-11-23 22 44 15 「「「「「ゆっくりしていってね!!!!!」」」」」 -- 2008-11-23 22 56 09 虐待の話もしていないのに虐待スレにいただけで帰れって言われた………。 ちゃんと割り切ってるのに。 -- 2008-11-24 00 53 43 大丈夫です。 荒れる原因になりかねないのでスレ上では触っていませんが 心無いことを言わない人のほうが多いはずです -- 2008-11-24 01 07 44 ありがとう。 -- 2008-11-24 01 20 03 管理人です。 2chでの荒らしが規制されたことを心ある方に教えていただいたので、 閻魔帳に規制元のIPを掲載致しました。 最近は私用が多くて作品をアップできていませんが、ちゃんと毎日 スレとWikiをチェックしているのでご安心ください。 何かお困りのことがありましたら、スレ、チル裏、メールどれでも 構わないのでご報告ください。 -- 2008-11-24 02 38 15 乙です。 閻魔帳にあるIPのひとつ、 虐スレのロダ荒らしてた人と同じですね。 -- 2008-11-24 02 48 18 乙です。 -- 2008-11-24 06 03 38 おお、乙でした これでまた1つゆっくり出来る -- 2008-11-24 08 52 02 前ちょっと提案した話なんですが、投棄場の名前、やっぱり変えませんか? 方向としてそっち向きの作品(えちぃのとか)であっても、「これは投棄場寄りですね」なんてやっぱりいい辛い。 あくまで投棄場送りは、作品を投げ捨てるニュアンスを含んでしまうので……。 そこで私からは、「あうとろ~ゆっくりのほらあな(旧投棄場)」という名前を提案したいのです。 -- 2008-11-24 12 21 03 あうとろ~も結構意味合いがきついですから ちょっと変えてはぐれゆっくりとかどうでしょう、と意見投棄 -- 2008-11-24 12 26 30 2008-11-24 12 26 30 個人的にはその「はぐれ~」がいいんじゃないかとおもいます。 前にその話が出たときにうやむやになってしまいましたし。 -- 2008-11-24 12 34 11 書いてる身としてはそこらの名前なんて全然気にならないんだけどなぁw まあ多数の意見にお任せします -- 2008-11-24 12 48 16 -- 2008-11-23 19 24 53 この書き方じゃどの絵師のことだかわからないよー うpろだにあるなら番号、あるいは絵の特徴ぐらいは書かないと誰とも言えないよー -- 2008-11-24 13 16 12 ↑ 「赤ちゃんの人」って書いたはずなんですが…。 ここの画像ページにそういう名前で載ってたので それで通じると思ったんですが違うんですか? -- 2008-11-24 13 33 52 質問に答えられなくてすいません。レス流れてたんで。 赤ちゃんの人はクラムボンさんと虐待スレで名乗っています。 こっちではなく、虐待スレの方を主に活動しているので、 向こうのチル裏で質問されたらいかがでしょうか。 -- 2008-11-24 13 37 59 わかりました。ありがとうございます。 -- 2008-11-24 13 39 09 今更だけど、ゆっくりまとめWikiにあるAA作品を読んでる。 独自の味があってあっちもいいなー。 -- 2008-11-24 18 32 37 今更話に便乗してだけど、さっきソフトークDLしてきて、その便利さに嵌っている。 つか、ためしにゆっくり愛で小ネタ68とかいれたら大変なことに…… -- 2008-11-24 21 10 07 どうやって帰ってきたのかについては なんかこうほら、ゆっくりパワーとかでいいじゃん -- 2008-11-25 20 05 28 AA吹いたw -- 2008-11-25 21 38 43 ゆっくり同士が仲いいなら本物も仲良くなれんじゃね?という発想でめーりんとこまちネタで話考えてたら、ゆっくりがいなくてもいける流れになってしまったorz -- 2008-11-25 23 02 01 2008-11-25 23 02 01 わかるわー。それすっごくわかる。 気が付いたらゆっくりの出番が少ししかなくて、 ゆっくりssというよりもゆっくりの出てくる東方ssになっていたりする。 -- 2008-11-25 23 05 23 半角「?」がケータイだと全角で表示される件。 -- 2008-11-25 23 12 43
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「なぜ・・・何故そんなこというの!!」 いきなり豹変した私の態度に驚きを隠せない唯。 「唯の気持ちは分かってる!好きだなんて言わないで!余計・・・惨めになるじゃない・・・」 唯に向かって一気に私の気持ちを捲くし立てると抑えていた感情が爆発して涙が溢れた。 脅してるからって唯がそこまでする必要はないのに、嘘で言われるくらいなら嫌いだと言われた方がマシだわ・・・。 「のどかちゃん・・・」 「触らないで!」 唯の手を払いのける、自分でも支離滅裂なのは分かっているでも抑えきれない。 ぎゅっっ! 不意に唯が私を抱きしめた。 「さわらな・・・」 「嫌わないで!!」 えっ!? 嫌わないでって・・・。 嫌っているのは唯でしょ、ひどいことをしてる私に・・・。 「嫌わないで、許してくれるなら私なんでもするから。だから私のことを嫌わないで!!」 顔を上げると顔中をぐしゃぐしゃにして泣く唯の顔が目の前にあった。 どうして私が唯を嫌いになるの・・・そんなことありえないのに。 「ごめんね・・・私が突き飛ばしたから、だから・・・怒ったんだよね、私の事嫌いになっちゃったんだよね」 鼻をすすりながらたどたどしく唯が話す。 「びっ・・・びっくりして手が動いちゃったの、すごくうれしかったの・・・に・・・でもそれで私が和・・・ちゃんを傷つけたから・・・ それに私が好きって言ったからおこ・・・怒ったんだよね迷惑なのは分かってるけど・・・もう好きって言わないから、 私に出来ることなら何でもするから嫌わないで!・・・ううん、私の事は嫌ってもいいから死んじゃいやだ!お願い!のどかちゃん・・・」 私はやっと理解した、『勘違い』それもまるっきり逆の!! 唯が好きだと言ってくれたのは本当だったんだ、勝手に勘違いして思い込んで・・・。 そんな勘違いした私に言われた「嫌い」って言葉と「死ぬ」って言葉を唯は信じてしまっていたんだ・・・。 「唯・・・ごめんね、本当にごめんね!」 ぎゅっと唯を抱きしめる。 「・・・のどかちゃん?」 「嫌いになんてなってないよ全部私の勘違いだからごめんね唯!・・・嫌いって言ったのも死ぬって言ったのも全部嘘なの!」 「・・・嘘?」 「うん、私が勝手に唯に拒絶されたと思い込んでただけなの。それで、その・・・それが悔しくて嘘をついちゃったの・・・ごめんなさい」 ぽろぽろと涙が溢れる、そんな私の頭を唯が優しく撫でてくれた。 「ううん、私が悪いの。和ちゃんは何にも悪くないの!」 「唯・・・」 「私が和ちゃんを傷つけたから、だから私が悪いの!和ちゃんは悪くないの!」 「唯・・・ありがとう、ごめんね大好きだよ」 「私も、あっ・・・の、のどかちゃん・・・好きって言っても怒らない?」 「うん、唯から好きって聞きたい、いっぱいいっぱい聞きたい!」 「えへへ、私も和ちゃんが好き!だーいすき!」 ぎゅうっ。 私の勘違いで大きなまわり道をしてしまったが、今やっと唯と一つになれた事がうれしかった。 「唯、本当にごめんね、ひどいことして。痛かったでしょ?」 「ううん・・・私もごめんね、痛くてびっくりして泣いちゃったりして、でも和ちゃんだからうれしかったの、本当だよ。それに・・・んと・・・ちい・・・欲・・・」 「ん?なぁに、聞こえない?」 「その・・・和ちゃんに触られてるとすごく気持ちいいの・・・だからまたして欲しいの・・・」 顔を真っ赤にしながら私を恥ずかしそうに見つめてきた。 そのまま唇を重ね、その日はくたくたになるほど愛し合った。 3日目- 昨日の疲れはあったけれどいつもより早めの時間に学校に着く、昨日サボって帰った分の雑務があるからだ。 「和さん」 下駄箱で憂ちゃんに呼び止められ、真剣な表情で人気がないところへ促された・・・もしかして。 「和さん・・・」 まさか唯・・・。 「お姉ちゃんをよろしくお願いします!!」 ぺこりと頭を下げる憂ちゃん・・・えぇ!? 「あの・・・憂ちゃん・・・」 「お姉ちゃんから全部聞きました」 ゆいー!あーーーっ・・・。 「でも、和さんだから許すんですよ!それに次にお姉ちゃんを泣かしたら・・・絶対許さないですよ?」 目が怖い・・・この子絶対本気だ・・・。 「うん、これからは絶対唯を泣かせたりしません、約束します!」 憂ちゃんは、私の返事を聞いて納得してくれたのかクスッと笑った。 「でも、よかった。お姉ちゃんずっと和さんのこと好きだったから」 「えっ?」 「お姉ちゃんから聞かなかったんですか?幼稚園のころからずーっと好きだったって」 ええっー! 「私なんて、和さんのお嫁さんになる!って何度聞かされたことか・・・」 そんな事、私は言われた事ない・・・いや、そう言えば子供のころ何度かお嫁さんにしてねって言われた覚えが・・・。 「あれって本気だったんだ・・・」 「もぅ、和さんだってお姉ちゃんの性格十分知ってるでしょ?」 ちょっとふくれっつらで指摘された。 確かに、あの子は思った事をそのまま口にするから・・・。 「!」 「どうしました?」 唯にそっくりのキョトンとした仕草で聞いてくる。 「憂ちゃんがきてるってことは、唯ももうきてるの!?」 「ええ、今日は朝練だからって・・・」 憂ちゃんの返事もそこそこに音楽準備室を目指す。 バタン!! 息を切らせて軽音部の部室の扉をくぐると・・・。 「おっ、唯!だんな様のお迎えだぞ!」 ニヤニヤとからかうように(間違いなくからかってるけど)話しかける律・・・。 「和ちゃんおめでとう~」 満面の笑みを湛えて祝福する紬・・・。 「そっ、その・・・おめでとう・・・」 何故か真っ赤になっている澪・・・。 「えっと・・・そ・・・その、お幸せに!」 こちらも真っ赤な顔の梓ちゃん・・・。 「えへへ~」 唯がテレつつも私の腕にしがみついてきた。 「ゆ・・・唯・・・」 「なぁに?和ちゃん?」 「だっ、誰にどこまで話した!?」 「えっと、まだ憂と律ちゃん、澪ちゃん、紬ちゃん、あずにゃんだけだよ」 どうして?って顔をしながら答える唯。 「でっ、ど・・・どこまで?」 そう聞いておきながら、真っ赤な顔でテレテレしまくる唯と四人の顔を見て私はすべてを悟っていた。 「ゆいーーー!!もう他の人に絶対喋っちゃだめだからね!!」 「えーーーっ!クラスのみんなにお祝いして貰おうと思ってたのにぃ!」 「お願い!それだけはお願いだから勘弁して!!」 真っ赤な顔だらけの中で、一番真っ赤な顔をして叫ぶ私だった。 【エピローグ】 私が恐れていた最悪の事態はなんとか回避された。 唯は約束通り憂ちゃんと軽音部メンバー以外に私達の関係を話すことはなく、私もやっと日常の日々を取り戻していた。 ただ、日常といっても今までの空虚な日常ではなく私の横には唯が居てくれた。 それに心強い仲間も出来た。 「でっ、ど・・・どこまで?」 そう聞いておきながら、真っ赤な顔でテレテレしまくる唯と四人の顔を見て私はすべてを悟っていた。 「ゆいーーー!!もう他の人に絶対喋っちゃだめだからね!!」 「えーーーっ!クラスのみんなにお祝いして貰おうと思ってたのにぃ!」 「お願い!それだけはお願いだから勘弁して!!」 真っ赤な顔で懇願する私に渋々といった感じで唯は了承した。 「まぁ、なんにしても良かったよな」 「うん、良かったね唯、和!」 「先輩、良かったですね!」 「うふふ、おしあわせに!」 軽音部のメンバーが再度お祝いの言葉をくれた。 「えへへ、ありがと~」 「みんな、ありがとう」 唯と二人で感謝の言葉を返した。 本当に感謝していた、普通ならこんなに暖かい反応は返ってこないだろう。 軽音部のメンバーと憂ちゃんに、もう一度心の中で感謝した。 「そっかーでもこれから先は二人に見せ付けられることになるのか・・・」 別に見せ付けるつもりはないが・・・多分そうなってしまうのかな。 今でさえうれしそうに唯が私の腕に絡まっているし・・・。 「うふふ、うらやましい限りね」 そう言う紬だが羨ましそうに見ている風には見えず、どちらかと言うと鑑賞されてるような気がする・・・。 「悔しいからこっちも見せ付けてやろうぜ、澪」 そう言った瞬間、律は隣に座る澪を引き寄せて・・・。 「んんっ!?」 もがく澪を押さえ込んで長々と唇を重ねる律。 「あらあらまぁまぁ♪」 うれしそうにそれを眺める紬。 ゴクリ。 両手で顔を覆ってはいるが、ちゃっかり指の隙間からのぞいて興味津々といった感じで眺める梓ちゃん。 「ねぇーねぇー、和ちゃん。私もしたくなっちゃった・・・」 「だっ、だめ・・・ここじゃ」 「えーっ、したいの・・・」 頬を高揚させ上目遣いに見てくる唯に欲求を抑えられなくなりそうだったがかろうじて我慢した。 「だめだって。・・・その・・・あとでしてあげるから、ねっ?」 最後は唯にだけ聞こえるように耳元でささやく。 「んっ、ちゅくっ・・・んふっ・・・」 澪は次第に抵抗をやめてぐったりとしてきた。 「ぷはっ・・・ってことで私たちのほうが先輩だからな!」 唇を離し、一息ついて律が自慢げに言い放った。 唇が離れたあとも、心ここにあらずといった感じだった澪の顔が徐々に紅く染まっていく。 「りっ・・・律!みんなのまえでその・・・するなんて、それにあれほど言っちゃダメだって!!」 「いーじゃん、唯達だって言ったんだし、ずっと黙ってるのって嘘ついてるみたいで嫌だったしさぁ・・・」 「そっ、それはそうだけど・・・でもはずかしい・・・じゃないか・・・」 「それで、それで!二人はいつからお付き合いしてたの!」 フンッ!と鼻息まで聞こえそうな勢いで紬が二人に詰め寄った。 「いや~、実は中学のときから」 若干照れた感じだが自慢げに律が話す。 「そっ、それでもちろんキスだけの関係じゃないわよね!」 紬の好奇心は留まるところを知らないようだ。 「それはもちろ・・・ムグゥ!?」 「わぁっっ!それ以上しゃべるなーー!」 両手で律の口を塞ぐ澪、もう遅い気もするけれど・・・。 「うふふふっ」 どんな妄想をしているのか、一人微笑む紬を見てこの子にだけは恋愛相談をしてはいけないと思った。 その後は、ところかまわず抱きついてくる唯の行動に当初は周りにバレてしまうのではないかと危惧していたが、唯の今までの性格や行動のためか気にしているのは私だけのようだった。 つまり、私たちの関係はこの上なく良好であり幸せな日々を送っている。 これからも色々な事があるだろう、楽しい事も辛い事も。 ただ、信頼できる仲間達が居てくれるから大丈夫だ、何があってもこの先ずっと唯と二人で進んでいく事を改めて心に誓った。 END- 戻る おまけ
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇◇ 12月中旬某日 「間に合わせますから……お願いですからあと少しだけ待ってください……締め切りまで待ってください……………ハッ」 ~間に合うかもしれないパチェさん~ 「しまったわ……うっかり寝ていたようね…………」 紅魔館にある大図書館の一室にて、 魔女パチュリー・ノーレッジは冷や汗を浮かべながら呟いた。 すぐさま壁に立てかけている時計を見ると10分も寝てしまったようだとわかり、思わず呻き声が漏れる。 不眠不休で執筆していたしわ寄せとして居眠りをしてしまったらしい。 「まさかここまで切羽詰るとはね……泣き言を言う暇さえも無くなるなんて……」 このような事態となったことには複雑な事情があった。 年末に人間の里で開かれる個人製作の本や小道具を扱ったお祭りにて、パチュリーは自作のグリモワールを出品しようと考えていた。 彼女がこれまで書物を読み学んできた魔法や儀式の実践方法(主にサバト)を漫画形式でわかりやすくまとめ、即売会会場にやってくる歴戦の大魔法使い達も満足できるように、というコンセプトで描かれたものだ。 いや、『描かれた』という言い方はまだ正しくない。 何故ならば未だ執筆中であり、先行きの見えない状況であるからだ。 「疲れた……原稿がぜんぜん進まない……やり直しはやっぱりきついわ…………」 こうなってしまった原因はパソコンという外の世界の式神にある。 骨董品屋に流れ着いたものを妖怪の山の河童が修理・改良し、本来必要な電力というエネルギーを必要とせずに動作させることが出来るようにした一品。 作業効率が高まるかと思って導入したことが完全に裏目に出た。 「何でパソコンってあんなに壊れやすいのよ……」 HDDとやらの故障によってこれまでの作業がパー。 データも何もぶっ飛んで、それどころかパソコン自体動かなくなる始末。しょうがないので紙とペンを使いひたすら書き殴る他無い。 やり直しを余儀なくされ、ほぼ無休で執筆を続けた紅魔館メンバー。 開始当初は6人いたそれも一人また一人と過労と睡眠不足によって倒れ、今残っているのは小悪魔とパチュリーのみ。 このままでは印刷所に間に合うどころか原稿の完成ですら危うい。 「小悪魔、原稿進んでる? 小悪魔~。…………小悪魔ったらこの修羅場にどこ行ったの?」 パチュリーが寝惚け眼を擦りながら室内を見回す。 アシスタントである小悪魔の姿が見当たらない。トイレにでも行ったのだろうか? そういえば小悪魔も一週間で合計休憩時間が3分という状況でよく頑張ってくれていた。 ちょっとばかし働かせすぎたけど、十数秒のトイレ休憩ぐらいなら大目に見よう。 そんなことをパチュリーは考えながら、小悪魔の作業がどのぐらい進んだのか、彼女が座っていたあたりまで歩く。 すると小悪魔が先ほどまで作業していた机の上に何か書いてある。なんだろうと覗き込む。 『労働組合に訴えてやる』 ご丁寧に血文字で書かれていた。どうやら魔界に逃げ還ったようだ。 「はい再召喚そしておかえりィィィ小悪魔ァァァァァ!! さぁこれから楽しいタノシイ『趣味』の漫画描きの始まりダヨォォォ!!」 「やだああああああああああ!! 私もう寝たいの~! 両目をつぶりたいの~!!!」 呼び戻された小悪魔の顔は絶望で染まっていた。 ちなみに趣味の漫画描きは仕事ではないので労働基準法に触れない。 毎日毎日24時間ぶっ続けで絵を描き続けても趣味ならばしょうがない。 「ルーラ! テレポ! 煙玉! こあぁぁぁぁ! 助けて大魔王様!! この魔女からは逃げられないぃぃ!」 「はい小悪魔、アナタのGペンと鉛筆とカッターと筆はこれよ♪ 四刀流ねすごいわかっこいいわ~♪」 「もう無理です間に合いませんよ! 冊子で誤魔化すしかないですよ~!!」 「そんなみみっちぃこと出来るわけないじゃない! ねぇ小悪魔、何が不満なの? 休憩したいのなら片目ずつ交互に瞑らせる許可をあげてるじゃない。右脳と左脳を交互に休ませてあげてるわよね。睡眠ってようは脳の休息でしょ」 【忙しい人必見! 眠らなくても仕事が出来る裏技!!】 ①右目だけを瞑り、左脳を休めつつ仕事 ②左目だけを瞑り、右脳を休めつつ仕事 ③①~②繰り返し 「ほぉら、全然問題ないでしょ♪」 「体を休めてないですよ体を! 不満どころじゃねぇですよ! 大体脳なんて下等な器管に頼らない私達悪魔にとっては、睡眠っていうのは脳の休息じゃなくて体と心の休息なんです!」 「ウルセェこの脳なし! 黙ってこっちにきなさいよああもうこのやりとりで2分過ぎたぁぁぁ!」 本来だったらこうして揉めている時間でさえも惜しい。パチュリーは必死の形相で小悪魔を誘う。 「いいから早く戻ってきなゲッホゲホゲホ!」 先ほどまでまくしたてるように喋っていたツケがやってきたのか、決壊したダムのように咳が止まらなくなるパチュリー。 そしてそんな隙を小悪魔が見逃すはずが無い。 「今だ!! こああああああああ!」 「ゲホガホッ! しま、った! ゲホッ!」 パチュリーが発作を起こし吐血したために拘束作用が弱まった。 小悪魔は召喚用の魔方陣を滅茶苦茶にかき回してすぐさま脱出。 パチュリーが連れ戻そうとしたときにはすでに遅し。魔界に帰ってしまった。 「クソッ逃げやがったあの小娘! 鬼! 悪魔! ゲホゲホッ! ま、間に合わなくってもいいの!?」 パチュリーは親指の爪をガリガリと噛みながらイラつきを露にする。 再召喚は出来るのだろうが、冷静になった頭で考えてみると小悪魔を呼び戻したところで揉めて時間を浪費することになるだろう。 今はそんな時間も惜しい。諦める他ない。 「小悪魔め……アンタは今執筆中の本に出てくる女の子のモデルにしてやるわ…………とりあえず生やしてやるゲホッゲホッ」 今後の方針が決まったことは嬉しいが、必要な人員が欠けてしまった事が頭を悩ます。 ストレスのせいか、喘息だけでなく頭痛までする。 「ゴホッガホッ、あぁ……どうしよう…………」 最後の戦力であった小悪魔がいなくなったせいで残るはパチュリーのみ。 その事実を前に、ストレスと疲労によって体調が芳しくないことが絡み合ってパチュリーを不安にさせる。 アシスタントが欲しい、労働力が欲しい、一人では間に合わない。 「……そういえば妖精が寝ている間に本を作ってくれるって話が外の世界の童話にあったわね。ハッ、そんな都合のいい話あるわけないっての。ここの妖精メイド達は仕事すら満足に出来ないしやる気は無いわで遊んでばかり――」 その独り言がパチュリーの脳内を駆け巡った。 「妖精……妖精……小人…………ゴーレム………………そうか!」 光明が見えた。 これほど重要なことを何故忘れていたのだろう、余裕がないときは大事なものを見落とすものだと思いつつも、パチュリーはこの危機的な状況を打開する方法が閃いた。 「私にはアシスタントを作る魔法が使えたじゃない!」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇ 「えぇと、泥……はちょっと足りないわね。しょうがない、捏ねて形を変えることができるからお正月の餅つき用の餅米を合挽きに代用して…………」 以前、パチュリーと魔理沙は図書館の本を巡って幻想郷の少女達を象った小型の泥人形――ゴーレムたちを用いて激闘を繰り広げたことがある。 もっとも最近の魔理沙はそのような小細工を行なう事もなくなって自らの体で直接図書館に侵入してくるために、 パチュリーもそれに応じて低級なゴーレム達は制作しなくなっていたため、すっかり忘れていた。 「まさかあのときのゴーレム作りの経験がこんなところで活きるなんてね……魔理沙、それに関しては感謝するわ」 ゴーレム達は単純な命令しか受け付けず、複雑な行動が取れないがアシスタントくらいは出来るだろう。 それだけでも効率が全然違う。 「よし、泥――じゃなくて餅人形のベースとなる体は出来た。あとは知能を与える触媒として髪の毛ね」 パチュリーは部屋に落ちている紅魔館の住人の髪の毛を拾っていく。 執筆活動の手伝いをしていた彼女達の髪の毛を手に入れることは容易かった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇ ゴーレムの材料であり触媒でもある餅と紅魔館の住人の髪の毛を載せた魔法陣。 それに向かってパチュリーは呪文を唱える。 はやる気持ちを押さえ、けれども出来る限りの高速で。 儀式を始める前、パチュリーは心の中でアシスタントを作るのに時間をかけるくらいならその時間を執筆に当てたほうがいいのかもしれないと少しばかりの躊躇があったが、 目の前で繰り広げられる餅の変化を見ているとその躊躇も吹っ飛んでしまった。 呪文が進むと共に魔法陣からは煙が立ち上り、餅がシュウシュウと音を立てながら形を変えていく。 もうすぐだ、もうすぐ完成する。パチュリーはその手ごたえに昂揚感を得る。 そしてパチュリーが呪文を終えたそのとき、バフンと煙が立ち上り、魔法陣を覆い隠した。 「キタキタキタァー! さぁ来い私の愛しい愛しい奴隷達!」 パチュリーが煙の中にいるであろう自らの下僕達を呼び起こした。 けれども煙の中からは何の反応もない。一体どうしたのであろうかと一瞬不安になる。 しかしパチュリーはあせることはないと思い直し、アシスタントとなるゴーレム達が出揃った後の事を妄想する。 きっと自分が眠っている間に作業を全て終えてしまうに違いない。 なにせ自分が作ったゴーレムなのだ。それはそれは優秀なものになるだろう。 けれど、パチュリーのそれはあまりにも楽観的かつ甘い考えだった。 煙が晴れゴーレム達の姿が露になったそのとき、彼女は膝を落とし絶望した。 「失敗だ……」 レミリア、フランドール、咲夜、美鈴、小悪魔、パチュリー。 確かに顔つきこそ紅魔館の住人達の面影があった。 けれど、その者たちは持っていなかった。 Gペンでペンいれをする右手も―― 鉛筆で下書きをする左手も―― カッターでトーンを削る右足も―― 筆でベタ塗りをする左足も―― それどころか―― 「人の形を……していない…………」 『『『『『ゆっくりしていってね!』』』』』『うー♪』 「オワタ」 ぷにぷに、むにむに、もちもち。 そんなファンシーな擬音を生じさせながらじゃれあう、紅魔館の面々の顔を持ったゴーレム達。 いや、ゴーレムなどという剛健な存在を連想するような響きとはかけはなれた物体がそこにはいた。 その姿を現すならば饅頭顔、生首、一頭身。 ようするに首から下、正確には顔から下が無く、その顔さえも弾力性のあるタイプのスライムを連想させる柔らかさを持った6体――いや6頭――はたまた6匹のナマモノ達だった。 『ゆっくりしたけっかがこれだよ!』『ゆっくりしなくてもこれだよ!』『ゆ~♪』『zzz(サクッ)』『ねるなみすず』『う~♪』 「私の……私の時間が…………」 パチュリーは目の前が真っ暗になった。 どうやら泥ではなく餅を使ったことに問題があったらしく、増してや体調が普段よりも優れない状態で作った。 そのためにクオリティが下がるのも無理のないことだった。 「あぁ……せめて、せめて頭だけじゃなくて、マドハンドみたいに手だけだったらよかったのに…………」 『げんじつがつらかったらにげてもいいの』『しかしまわりこまれてしまった!』『げらげらげら』 「うざっ」 『なんでうちらてがないの!』『しんりのとびらをひらいたよ!』『もっていかれたあああ!』『てをあわせるだけでれんきんじゅつができるようになったよ!』『しまった! てがない!』『う~♪』 「…………ハァ」 ため息も出ようものだ。せっかく時間をかけて作り上げたゴーレムが失敗。 制作にかけた時間は戻ってこないで、さらにこのゴーレム達はアシスタントとして用いることは難しそうだ。 まさに骨折り損のくたびれもうけ。 『ゆっくりしていってね!』『ゆっくりしていってね!』『ゆっくりしていってよー!』『ゆっくりしろ!』『ゆっくりしね!』『う~♪』 パチュリーは頭を抱えながら、椅子にもたれ掛かるように力なく腰を下ろした。 その横でゴーレム――ゆっくりゆっくり五月蝿いからゆっくりと仮称するが、そのゆっくり達を見て絶望した。 「駄目だ、絶対こいつらじゃ仕事になんない。何でこんなことになっちゃったのよ……」 頭を抱えて涙目になるパチュリー。そんなパチュリーの姿を見たゆっくり達。 ゆっくり達は円陣を組んで何かを話し合い、再度パチュリーに向き合った。 皆が皆眉をキリリと吊り上げ何かを決意したかのような表情だ。 『ごしゅじん~』『ゆっくりみていってね』 「何よどうしたのよ?」 パチュリーの特徴を持ったゆっくり。 ゆっくりパチュリーとでも言うべきか、その物体は一応は主人を認識しているようだ。 そしてゆっくり達は互いに何か示し合わせたかのように頷いたかとおもえば、 な、なんとゆっくり達が……! ゆっくり達がどんどん重なっていく。 『『『『『かがみもち!』』』』』『うー♪』 「私に年越しを意識させんなぁぁぁ!」 『だめだったよ!』『おしょうがつはゆっくりできるのにね』『かわいくってごめんねー』 ゆっくり達はイヤアーと片目をウィンクしながら申し訳なさそうに見えない顔で反省した後、 再び重なっていき―― 『『『『『トーテムポール!』』』』』『うー☆』 「同じだろうグハアァァァ!」 ゆっくり達は二度パチュリーに対してネタが受けなかったためか、少しばかり俯いた。 それも当然、パチュリーからしてみたらこのような物体に構っている暇なんて無い。 しっしと追い払おうとするが、ゆっくり達の様子がおかしい。 ジタバタ、ウネウネ。ゆっくり達は何故か離れない。 『『『『『やべ、くっついた!』』』』』『う~……』 「何やっとるか餅どもゲハァ!」 パチュリーは律儀につっこみを続けるあまり吐血。 あぁ私って長く生きられないなぁと思いつつ、薄れ行く意識の中で三途の川が見えてきたパチュリー。 よく見るとスカーレット姉妹と美鈴がバタフライで三途の川を逆走している。 吸血鬼って本当は泳げるんだ、スゲェ! 『あきた!』『とって!』『むああんむあふああん』『う~……う~……』 「あ~! うざったい! 外してやるから黙りなさいよ!」 くっついているゆっくり達を無理矢理外す。 柔らかくて癖になりそうな触感だと思ったことにパチュリーは若干の悔しさを感じた。 『とれた!』『じゆうだ!』『あんがと!』『かんしゃ!』 「ど~いたしまして……ケホッ……」 パチュリーは疲れた。突然変異を起こした魔法生物ほどタチの悪い存在は無いと痛感する。 寝惚けて作った自分が一番悪いんだろうなと自嘲するが、そうなるまでに自分が肉体的にも精神的にも追い込まれていたのだと改めて感じた。 自分は満身創痍。頼りになる労働力はない。締め切りは迫っている。 それらの重い事実を改めて実感し、体の奥から力が抜けていくのがわかった。 そして心が弱くなったとき、思い出したくも無いあのときの記憶が蘇る。 ――うそ! 嘘よ! こんなのってアリ!? 何でパソコンが動かないの!?―― ――う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん! わだじの、げんこ……う! わたじ……だぢの―― 心細いとは、このような気持ちを言うのだろうか。 ――寝ちゃ駄目よフラン……寝たら死ぬわ……―― ――眠い……眠い…………いつもシェスタばかりしているツケが…………―― ――咲夜さん、能力の使いすぎですよ。もう休んでくださ――咲夜さん!? 誰か、誰か担荷を!―― 自暴自棄になるとはこういうことなのだろうか。 ――もう無理ですよ間に合いませんよ―― そして、全てがどうでもよくなった。 「あ~もう、やめよやめ」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 『ゆ?』と、ゆっくり達が何があったのかと目を合わせる。 パチュリーはそのまま独り言を続ける。 「どうせ間に合わないし作っても出来の悪いものしか完成しないだろうし――」 『ごしゅじん~どしたん?』 「もうどうでもいいや。本当は間に合うはずだったけど、事故があったんだからしょうがないわ。そうよね私悪くないもん」 パチュリーはその場にごろんと寝転がり、ふて腐れる。 「私一人だけで頑張って、馬鹿みたい」 彼女は全てを諦め、緩慢なる破滅を選んだ。 そしてそんなパチュリーの持つ雰囲気を感じ取らずに擦り寄るナマモノが6つ。 まるで年端もゆかない子供達が新しい友人を歓迎するかのように。 『ごしゅじんもゆっくりするの~?』『やっとそのきになったんだね!』 「ゆっくりだろうがさっくりだろうがどっちでもいいわよ。あ~もう知ったこっちゃ無い。私知らな~い」 『なかまがふえるよ!』『やったねたえちゃん』 「勝手にしなさい。もうあんた達見てると羨ましくてしょうがないわ。気楽でなんも考えてなさそうだし」 『じゃあなかまにいれたげるね♪』『ゆ~♪』 ゆっくり達はパチュリーの両手両脚のそばに散った。 そしてパチュリーの手足に頬を擦り付ける。もっちりとした柔らかさに加え、微妙に温かくって心地よい。 「きゃっ、ちょ、ちょっとあんた達くすぐったいわよ」 『むきゅ~♪』『こぁ~♪』『じゃおん♪』『ゆ~♪』『う~♪』『う~♪』 「悪い気はしないけど、何かこそばゆいわね――ん? あんた達何大口を開けてるのよ?」 『とりあえずねー』『りょうてりょうあしをー』『ざくざくきりおとしてー』『だるまにしてー』 「やめんか一頭身共!」 『『『『『だめ?』』』』』『う~?』 「駄目に決まってるでしょうが! ゲホッゲホッ」 『ゆっくりできるのに……』『ゆっくりするにはてあしはいらないのさ』『ただあたまだけあればいい』 『ないすぼーど♪』『う~♪』 「こいつら人畜無害そうな顔してとんでもない奴らね……」 『おもったんだけど』『なにさ』『くびをきればすぐだよね!』『そっか!』『あたまいいね♪』『あたましかないけどね♪』 「納得してんじゃないわよ生首共。いい加減に黙らないとあんた達に足を生やしてタンスの角に小指ぶつけさせまくるわよ」 『ざんねんだね!』『むねんだよ!』 パチュリーはもう反応をすることさえも疲れてきた。パチュリーはゆっくり達を振り払い、ゴロンと寝転がりゆっくり達に背を向ける。 そんなパチュリーを見て、ゆっくり達は母を怒らせてしまったのか不安になった子供のような様子でおずおずと心配そうに顔を覗き込んだ。 『ごしゅじん~』『う~』 「なによ。私は今から眠るんだから静かにしなさいよ」 『なんでごしゅじんはゆっくりしないの?』『さっきからゆっくりしてないね!』『いまもゆっくりできてないよ!』 「………………」 『おしえてー』『ゆっくりきかせていってね!!』 「…………私が眠くなるまでの間よ。眠くなったらすぐに話は打ち切るから」 「ことの始まりは本当に普通。人里で年末に即売会があると小耳に挟んで、ちょっぴり興味があったから応募しただけ。会場に足を運ぶ気も無かったし、適当に薄い冊子を作って後は代役に売りに行ってもらおうかと思ってたの。だけど――」 ――パチェったら即売会に参加するの!? 面白そうじゃない私もやるわ!―― ――私もやる~♪ 面白そ~♪ いいでしょお姉様♪―― ――私もいいですか? 門番なためか外勤ばかりなんで、たまにはデスクワークもやってみたいなって―― ――陵辱系なら得意ですわ―― ――どれどれ…………咲夜さん、マニアックすぎるどころじゃないですよこれ…………―― ――これは確実に発禁になりますよね…………―― ――ふふん、美鈴も小悪魔も大袈裟ね。そんなまさか(パラパラパラ)アグネ○早く来てくれー!!―― ――お姉様、ア○ネスは召喚獣じゃないのよ(パラパラパラ)助けて○グネス~~!!―― ――咲夜、貴方一人で描くと暴走の恐れがあるから、描く時は時を止める程度の能力の使用は禁止ね―― 「――ってな感じで一気に賑やかになったわけ。そうなると当然規模も大きくなるわけで――」 ――紅茶とお茶請けをお持ちしましたわ。少し休憩してはどうでしょうか?―― ――やたー♪ 咲夜大好き~♪―― ――ねぇパチェ、休憩前に言っておきたいんだけどここのシーンあるでしょ? このドロワーズの書き込みが甘いんじゃないの?―― ――お嬢様、なんだかノリノリですね―― ――美鈴、私のことはチーフって呼びなさい。いいわねチーフよ―― ――お姉様ったらまた外の世界の漫画の影響受けてる~―― ――でしたら私は編集長で。素晴らしい雑誌を作って見せますわ―― ――咲夜さん、出版社ごと発禁になりますよ―― ――むぅ…………―― ――あははっ、咲夜さん拗ねないでくださいよ~―― 「――とまぁ、皆で一緒にワイワイと描いてた。忙しかったけど悪い気はしなかったわ」 それは今となっては決して戻らないであろう楽しかった思い出。懐かしくて懐かしくてどうしようもない。 そしてその話を聞いたゆっくり達はというと目を輝かせている。 「どうしたのよ?」 『おもしろそー』『ちょっとやってみるね!』『ゆ~♪』 「あ、コラ。勝手に紙とペンを使うんじゃないわよ」 ペンを口で咥え、使っていない紙に向かって絵を描くゆっくり達。 どうやら好奇心旺盛な奴らのようで、人の話を聞いて真似しようとしているらしい。 ミミズが這いずり回ったような線はお絵かきと呼ぶことすらはばかられるが、その姿はとても楽しそうだった。 「見てると何か複雑な気持ちになるわね」 ゴーレムは大なり小なりそのモデルとなった人妖の性質を持つ。 今回のゆっくりと名づけた突然変異のゴーレム達は特に情緒が発達している。 そんなゆっくり達は、モデルとなった紅魔館の住人の「楽しく頑張っていた頃の思い出」を強く受け継いだのかもしれない。 「そうそう、丁度あんな感じだったわ」 ゆっくりレミリアはとても楽しそうだ。一番楽しんでいたノリのいいレミィのことが思い返される。 ゆっくりフランは意外にも上手い。レミィに褒められるとすごく嬉しそうにはしゃぐところが妹様みたい。 ゆっくり美鈴は常に眠そうだ。その代わり器用で姉妹への面倒見もいい。 ゆっくり咲夜はサポート係だ。秘めたるポテンシャルを持つがために援護に回った咲夜のように、常に皆が全力を出せるように細かい仕事をやり続ける。 ゆっくり小悪魔は不器用だ。だけどそれを補うかのように一生懸命に頑張っていた。こき使っていたのはちょっと申し訳なく思う。 そして、ゆっくりパチュリーはむっつりとした顔をしながら作業していた。 自分は傍から見たらあのような顔をしていたのかと苦笑する。 気になったので傍によってみる。 「アンタ、楽しい?」 『それなり~』 「素直になりなさいよ」 「…………ねぇ」 『どーしたのさごしゅじん』 「アンタ達に聞くのもおかしな話だけど、私って今から頑張れば間に合うかな?」 『『『『『『むり♪』』』』』』 「満面の笑みで言ってるんじゃないわよ! それとレミィみたいな奴、アンタ喋れるんじゃないの!」 『う~?』 「しらばっくれてんじゃないの。――まぁ、アンタ達がどう言おうと諦める気はないけどね」 『さっきはあきらめるとかいってたよ!』 「やっぱなし。私達が苦しんでる一方で、アンタ達だけ楽しそうにしてるのはなんか癪だし」 『ひねくれてるね!』 ゆっくり達はケラケラと笑う。口元が半開きになった妙に腹たたしい笑い方だが、どこか愛嬌がある。 『ごじゅじん~』 「何よ」 『ゆっくりをあいするこころをわすれないでね』 「忘れないでって、それ以前に愛してるなんて言ったことはないし――それに今は修羅場だから無理。ゆっくりしてる暇なんて無いわ」 『おーまいごっど』 「だけど――やらなきゃいけないこと全部が終わったら思い出すわよ」 『ぐらっちぇ!』 ゆっくり達の姿を見ていて思う、紅魔館の面々での作業はパチュリーが描こうと言い出さなかったらありえなかった。 それに締め切りなんてなくても本なんていくらでも自分達で描けるが、どうせだったら皆に見て欲しい。 この自己満足の塊のような、私達の思い出のアルバムを。 ――そうだ、みんなで即売会に参加してみるのも面白いかもね~―― ――お嬢様ったらそう言いつつも面倒ごとは私達に押し付けるんですから。どうせ会計は私達にやらせるんでしょう―― ――私コスプレってやつやりたいな~♪―― ――でしたら私がコーディネイトして差し上げましょう―― ――咲夜さん、目が血走ってますよ―― ――そういえばさ~―― ――パチェは参加してみたい? それとも描ければそれで満足?―― ――…………そうね―― ――私は―― 「さて、私もこれからみんなをしょっ引きに行こうかしら」 『『『『『『ゆっくりがんばっていってね!』』』』』』 「そうそう。ひとつ聞きたかったんだけど」 「ここってどこかしら? 私達が作業していた部屋じゃないわよね」 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 「ん……」 顔に感じる冷たく固い机の感触と、肩に感じる温かく柔らかい毛布の感触。 パチュリーはぼんやりとした頭で現在の状況を推理する。 その意味することはワトソンですらホームズの助けを借りずに理解出来るほどに簡単なものだ。 「夢……だったの……?」 先ほどまでの賑やかで五月蝿くて暢気で陽気なナマモノ達は夢幻の存在だったのだろうか。 「だとしたら、これは一体……?」 机の上には、あの半開きの妙に腹の立つ顔で固まったままのゆっくり達。まるでゼンマイが切れたブリキのおもちゃのように動く様子が無い。 そしてゆっくり達のすぐ傍には、ゆっくり達が描いていた線を載せた紙があった。 相変わらずグチャグチャとしていて、何を描いたかわからない。 だがしかしこれらが先ほどのゆっくり達とのやりとりが現実であった出来事だと証明する証拠にはならない。 パチュリーのゴーレムは普通これほどすぐに動かなくなったりしない。最初から動いていなかったということも考えられる。 またゆっくり達が描いていた線に関する説明はもっと単純だ。パチュリーが寝惚けて紙に描いたという可能性がある。 結局のところゆっくり達とのやりとりや夢だったのか、それとも現実だったのか、それはわからなかった。 ハッキリしていることは、数時間経過しているということと、だるさが残りながらも体力が回復しているということだった。 「………………………………」 パチュリーは眼前のゆっくり達の動かない姿を見て、脳裏にゆっくり達の動き回っていた頃の姿を浮かべる。 思わず笑いがこぼれる。夢にしても実際あったことにしても、奇妙にもほどがある存在だった。 そして気が付く。自然に笑うことが出来るほどの余裕が自分に生まれていた事を。 「よし、ギリギリだけどこれから頑張るかな」 まずはみんなを無理矢理連れ戻しにいこう。嫌がられようが死に掛けていようがかまうものか。 全てが終わった後、仲間はずれにしたことに対して文句を言われるよりはましだ。 そしてやるだけやってみよう。気力だけは充実している。 ◆◆◆◆◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ ガリガリガリガリガリガリガリガリ。 「あ~まさか復活してから即原稿を描かされるなんてね。いくら吸血鬼がアンデットとはいえ扱いが酷いわよ。三途の川は冷たかったわ~」 「ほんとだよねお姉様~。いたいけな吸血鬼をこんな目に会わすなんて~キャハハハハ。あ~なんか私今テンション高いすっごくテンション高い。今だったらずっと寝ないでも大丈夫な気がする」 「フラン、気を抜いたら駄目よ。ちょっとでも気を抜いたらガクンと眠気が襲ってくるわ」 「へ~気をつけないと。それにしても、飽きっぽいお姉様がよくこんな辛いことを投げ出さないでいるね~」 「あら、吸血鬼が飽きっぽかったら何百年も毎日毎日血なんて飲めないわよ。吸血鬼はこの世で一番根気溢れる種族なの」 「へ~495年吸血鬼やってるけど初めて聞いた」 「そうね、例えるなら人間達は栄養があるからって500年間毎日3食欠かさず青汁を飲んだりするの? しないわよね? どんな人間でも100年くらいで飽きちゃうでしょ?」 「なるほどね~。人間って飽きっぽい生き物なんだねぇぇぇそれに比べて吸血鬼って凄いなぁァァ」 「そうよねそうよねぇぇぇ」 ガリガリガリガリガリガリガリガリ。 レミリアとフランドールが原稿に筆を走らせて、その隣で美鈴が昼寝を求めながらベタを塗り、すぐ横で咲夜がトーンを削る。 「眠い……眠い……眠い……眠い……シェスタしたい…………」 「美鈴しっかりしなさい。寝たら殺すわ」 「普通そこは『寝たら死ぬわ』ですよ咲夜さん!? 何でそんなに殺る気満々なんですか!?」 美鈴の眠気がバッと醒める。殺気とは眠気と酔いを醒ます一番の特効薬だ。 「背水の陣よ。貴方は追い込まれることで力を発揮するタイプだから」 「咲夜さんってば私の事を追い込むっていうか追い詰めてるじゃないですか!?」 「ちなみに背水の陣とはいうけど、貴方の場合後にあるのは川じゃなくて崖ね。場所は千尋の谷」 「そんなライオンか何かじゃあるまいし!?」 「よく言うじゃない、獅子は我が子を千尋の谷に叩き落とすって。厳しい親ライオンならではの野性味溢れる愛情なのよ」 「『叩き落す』じゃなくて『突き落とす』ですよ! 親ライオンってば殺意満点です!」 「『クックック、これであの邪魔なライオンの血筋は途絶えた。もう俺を止められる者はいない』」 「ライオンキングで似たようなシーンありましたよ!?」 そんな二人が冗談を言い合えるのは元気な証拠だ。たとえそれが瀕死の状態での空元気でも、元気は元気。 冗談を言うことが気力の充実につながり、残り少ない体力を補うのだ。 そしてその更に隣では、つい先ほど無理矢理連れ戻された小悪魔に対して、パチュリーが道具を差し出している。 「はい小悪魔、アナタのGペンと鉛筆とカッターと筆はこれよ」 「………………………………………………………………」 小悪魔が逃げ出したことについては無理もなかった。前回逃げ出した直前は紅魔館の皆が倒れて精神的に折れそうになった状態で、魔界の悪魔達でさえも過酷さのあまり逃げ出すような修羅場。 そんな状況に一度は追い込んで、更にまた地獄に舞い戻らせるのは鬼畜の如き所業に違いない。 けれど、パチュリーはそれでも小悪魔を連れてきた。 前回本当に体力も精神もギリギリになるまで描き続けてくれた小悪魔。そんな彼女と原稿完成の瞬間の喜びを分かち合えないのは御免であった。 そんな我侭で自己中心的な考えをしていることをしている自分を自嘲する。 「…………パチュリー様ったら、本当に悪魔使いが荒いですね」 小悪魔は怒っているとも泣いているとも笑っているとも言える複雑な表情で道具を受け取った。 「………………逃げてごめんなさい」 「気にしてないわよ、ほらさっさと仕事しなさい。それとこっちも悪かったわね」 あの時ギリギリまで手伝ってくれてありがとう。一番言いたかった一言が喉でつっかえてしまった。 彼女達は円状のテーブルを囲みながら作業をする。 一人だったら60分掛かる仕事も、2人だったら30分で済む。6人ならば10分だ。 実際にはそれほど単純ではないが、気力の充実した者達が必死に頑張れば不可能ではない。 けれども遅れていたという事実は変わりない。これから先は今まで以上の地獄となる。文字通り血反吐を吐きながら描き続けることになるであろう。 体力と気力が枯れ尽きても。 「咲夜」 「はい」 「熱いコーヒーを頼むわ」 「かしこまりました、今ここに用意しております」 「ありがとう、さすがね」 パチュリーは熱いコーヒーをぐぃっと煽る。苦い。けれども目が冴えてくる。 「まぁゴーレムに仕事を全部やらせようとした私が甘かったのかもしれないけど」 パチュリーは帽子を脱ぎ、その長い髪を紐で一括りにまとめる。髪が作業の邪魔をしないために。 「目的と手段を間違えていたら世話ないわね」 パチュリーはそのふわふわとしたローブを脱ぎ捨てる。少しでも手足を動かしやすくするために。 「自分達の本を作る。だから絶対に作り上げる。間に合わせる」 パチュリーはふわっと宙に浮いたかと思うと、右手に万年筆を、左手に鉛筆を、右足にカッターを、左足に筆を持った。 七曜の魔女パチュリー・ノーレッジ。 先ほどまでは体力が落ちていたが故に出来なかった、彼女の持つあらゆる属性の魔法を組み合わせ同時に操る技術を今こそ活用する時だった。 右手はGペンでペン入れを行ない―― 左手は鉛筆で下書きをして―― 右足はカッターでトーンを削り続け―― 左足は筆でベタ塗りをやり続ける―― 「キシャアアアアアアアアアアアアア!!!」 両手両脚が蜘蛛のようにシャカシャカと蠕き、四肢を蛸のようにクネクネと躍らせる。 エクソシストという外の世界の映画で背面返りのままベッドを降りてきた悪霊のような姿勢だ 「私達もパチェに続くわよ!」 「「「「おう!」」」」 パチュリーに続き少女達が両手足に文房具を持って宙に浮き、同じ姿勢を取って金切り声を上げながら漫画を描き、6体の背面返りがベッド上で踊る。 6人で6分の1、更に両手両脚を使うことで更に4分の1、掛け合わせることで24分の1。 女達は丸一日掛かる仕事を1時間で終わらせる。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 悪魔の住む屋敷、紅魔館。 「う~~~~~~~~~~~~~~~!!!!」 その一室にて一生懸命に執筆し続ける少女達。 「キャハハハハハハハハハハハハハハハハハアァァァァァァ!!!!」 彼女達は円卓を囲んで必死の形相で描き続ける。 「あちょおおおおおおおおおおおおお!」 汗だくになり、目は涙を浮かべ、指先からは血をにじませながら。 「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY」 考えてることは皆同じ、絶対に間に合わせる。 「こぁ~~くまくまくまくまくまくまぁ!!」 そして長い長い余生でいつの日か、このような馬鹿があった日のことを思い出そうと。 「ゴホガホゲハガハグハゲハァゴハアァァァァァァ!!!」 そんな円卓の中央に位置するは、彼女達を一頭身にディフォルメしたかのような物体。 ミミズの這いずり回ったような線が引かれた紙を囲み、ペンが口元に差し込まれている。 まるで、皆で楽しそうに絵を描いているかのようだった。 脳を休める方法を思わず試しそうになってしまったレポート中の自分。 休まるかぁ!!! ああ、ゆっくりしたい……もちもちぷにぷにしたい…… -- 名無しさん (2010-01-31 00 59 13) アグネスのくだりで爆笑したw 咲夜さん普段どんだけ自重してないんすか。 -- 名無しさん (2010-02-07 03 58 50) ちょwwwwwwwwwww PADIOwwwwwwwwwwwwwwwwwww -- 名無しさん (2013-05-02 22 10 46) 名前 コメント
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「……なあ、やっぱり止めないかキョン。ホントに痛いんだよ。色んな意味でだ」 「そう聞いちゃなおさらだ。観念しろ佐々木」 着替えが終わったよ、と俺が部屋に入ることを許しつつも、あいつはカーテンから顔だけを出していた。 佐々木よ、言っちゃなんだが白カーテンだから光でちょっと透けて見えてるぞ。 「え」 「まあ身体のラインくらいだが」 「うう……」 「まあ観念しろ。それにな、そもそも最初に話を飲んだ時点でお前の選択は既に終わっているんだ」 「……キミに言葉責めの趣味があったなんて知らなかったよ」 俺はいつもお前に言葉責めされている気がするがな。 「……笑わないでくれよ?」 「保障はしない」 「うう」 それでも姿を見せたのは、常に筋を通すあいつらしい頑固さの賜物か、或いはその頑固さを利用した俺の勝利か。 ピチピチに張った服を着た佐々木がカーテンから現れる。 中学時代の夏服を着込んだ佐々木が、恥ずかしそうにこちらを睨みつけていた。 「おお、ちゃんとまだ着れてるじゃないか」 「うう……どこがだい」 つんつるてんとはまさにこれだ。中学時代の制服を来た佐々木は、珍しくこちらをにらみつける。 だが顔が真っ赤じゃ迫力に欠けるぜ親友。 「しかし、意外に中学三年と高校三年じゃ体格が変わってるもんなんだな」 「そこは個人差があるだろうがね」 学生服なだけに、それなりに長いはずのスカートがこうしてみるとミニスカートみたいだ。 しかしお前ってあんまり変わってないイメージがあったんだが。 「くっくっく。言ったろ、僕だってそれなりに身体的数値は変動しているのだよ」 で、ふふん、とばかりに胸を張ったのがいけなかったのは言うまでも無い。 いつか雨に濡れたのと同じ制服の前が、今度は勢い良くボタンを弾け散らしてその下にある禁則事項が禁則事項したのは事故だ。事故なんだ! )終わり 「で、キョン。僕は責任を追及しても構わないのかな?」 「俺に出来る事なら何でも、とは言わんぞ」 「くく、言わないのか」 一体何を要求するつもりなんだ。 「そりゃ僕は意図せずキミに恥を晒してしまったわけだ。なら相応にキミにも、あー、そうだな、そうだ。……中学時代の制服でも着てもらおうかな?」 「男にそんなんやらせて楽しいのか?」 「僕は楽しい」 「そうかい」 「当たり前だろ? キミとの思い出が詰まった服装なのだからね」 )終わり
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461 : 保母(関西・北陸) :sage :2007/03/22(木) 01 31 19.87 (p)ID CMakX+vzO(35) 女「はぁ…」 私がまだ小さかった頃 とても引っ込み思案だった私には友達がいなかった いつもいつもこの公園で1人寂しくブランコに乗っていた そんな私が嫌で…嫌で…しょうがなかった 変わりたかった 464 : 保母(関西・北陸) :sage :2007/03/22(木) 01 41 07.46 (p)ID CMakX+vzO(35) ある日 いつもの公園に私がやって来ると男の子達に囲まれた女の子がいた 「おい、何か言ってみろよ!」 女友「………」 「無理言うなってこいつ喋れないんだぜ」 「ハハハハ」 確か同じクラスの女友ちゃん… いつも黙っていて目立たない子だった だと思っていた 女「喋れない…?」 女友「…………」 「お前病気でも何でもないのに喋れないし無表情なんだろ?」 「なぁ、言い返してみろよ」 「だから、無理だって、ハハハハ」 ……助けなきゃ 私はそう強く思った …ここで変わらなきゃ一生変われない気がした 女「止めなよ!」 465 : 保母(関西・北陸) :sage :2007/03/22(木) 01 50 07.40 (p)ID CMakX+vzO(35) 女「止めなよ!」 「?」 「うちのクラスの女じゃん」 「何か文句あんのかよ!」 女「止めなって言ってるの! 馬鹿じゃない? 女の子1人によってたかって 何?私にも何かするの?」 私は一気にまくし立てた 自分でも驚くくらいに強く 初めてこんな風に喋った 「な、なんだよ…」 「行こうぜ…」 「あぁ、何か気分悪い」 それが効いたみたいだった 今思うと相手も子供だったからこれで済んだのだと思えた 女「はぁ…恐かったぁ」 女友「………」 女「お、女友ちゃん大丈夫?」 女友「………」 女友ちゃんは無言のまま頷いた 467 : 保母(関西・北陸) :sage :2007/03/22(木) 02 05 27.56 (p)ID CMakX+vzO(35) 私は変われた 次の日、少しずつながらも話し掛けていけるようになった そして、学校が終わってあの公園に来ると女友ちゃんが1人で立っていた 女「女友ちゃん?」 女友「………っ!…」 何かを喋ろうとしているのだが声が出ないみたいだった その子は悔しそうに目を潤ませた 女「よし、遊ぼう!」 女友「………」 そう言うと少し笑って頷いた 女「笑えたね♪それに泣いてる… 表情出せるようになってるよ」 女友「!!」 女「さ、遊ぼ♪」 楽しかった、とても楽しかった 時が過ぎるのが早かった 女「ぁ、そろそろ帰らないとね」 女友「……」 女「また、明日も遊ぼ、じゃあね」 女友「……と…」 女「…え…?」 女友「…ぁ…りがと…」 女「女友ちゃん…」 女友「…ありがとう…」 470 : 保母(関西・北陸) :sage :2007/03/22(木) 02 19 34.27 (p)ID CMakX+vzO(35) キキーッ 衝突事故 それは私の全てを奪った 家族は私を残して誰も助からなかった 私はそれを聞いた時から表情を作ることが出来なくなった 声を出すことが出来なくなっていた 私は叔母の所へ預けられた 叔母達は私をよくしてくれた けど、私はずっと塞ぎ込んでいた 学校ではもちろんこんな私に友達なんて出来なかった そして… 「お前、喋れないんだってな!」 けれどその時その女の子は現れた そして私を助けてくれた 嬉しかった、ありがとうと言いたかった けど言えなかった 472 : 保母(関西・北陸) :sage :2007/03/22(木) 02 31 24.57 (p)ID CMakX+vzO(35) 次の日私は同じ場所でその子を待った 今度こそありがとうを言うために そしてその子はやって来た 女「女友ちゃん?」 女友「………っ!…」 また何も言えなかった 悔しさに舌を噛んだ 女「よし、遊ぼう!」 私は嬉しかった もちろん顔を縦に降った 女「笑えたね♪それに泣いてる… 表情出せるようになってるよ」 ぇ…? 私が笑ってる?泣いてる? 私は… 女「さ、遊ぼ♪」 その時間はとても楽しかった 時間が止まればいいと思えた けど、そんな時間は長く続かなかった 女「ぁ、そろそろ帰らないとね」 …今… 女「また、明日も遊ぼ、じゃあね」 今、言わないと一生後悔すると思った 女友「……と…」 女「…ぇ…?」 女友「…ぁ…りがと…」 女「女友ちゃん…」 女友「…ありがとう…」 473 : 保母(関西・北陸) :sage :2007/03/22(木) 02 35 17.59 (p)ID CMakX+vzO(35) 女友「それからの私は普通に戻れた 少し時間は掛かったけど あの子がそばに居てくれたから」 女「私はそれから変わった 少し時間は掛かったけど あの子と一緒だったから」 女・女友「私はあなたと一緒だったから強くなれた、あなたと一緒に強くなった」 おわり 477 : 保母(関西・北陸) :sage :2007/03/22(木) 02 43 54.83 (p)ID CMakX+vzO(35) 高校に入って少ししてあの子はコスプレを始めた 蒼星石というキャラクター 全くあっていない けど、彼のためらしい 男「蒼星石のマスターになれたらいいのに」 女「蒼星石になって男君にご奉仕したいよぅ…」 あんな男のどこがいいのか私には分からない 常時コスプレをしてるって言うのもどうかと思う けど…… 女「今週の土曜遊びに行こ」 女友「いいけど、そのカッコで?」 女「当たり前でしょ」 女友「当たり前って……」 けど…あの子を嫌いになることなんてない 私達はそんなにやわな絆じゃ出来てないんだ end
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前 人里の広場で。 今日も今日とてゆっくりちぇんの相手をする。 「わかる、わかるよー」 ちぇんも勝手がわかっているのか、俺の愛撫(性的な意味はない)に心地よい格好で応えていた。 と、そこに不吉な気配。 「……ぇぇぇん」 「何だ……?」 どこからともなく聞こえてくる重低音の響きは、まもなく音源を俺にさらした。 「げえっ、ゆっくりらんしゃまっ!」 俺は叫んだ。 だってそうだろう?あの忌むべき姿が涙を流しながら、尻尾をぶんぶんと回転させて、俺のいとしいちぇんに向かって一目散に突撃してくるのだから。 「ちぇんは渡さん!渡さんぞー!」 とっさに両腕でちぇんを抱きかかえる。 俺のちぇんに、あんな教育に悪いものを見せてたまるか。 「わ、わからないよー」 ちぇんが俺の腕の中でうめく。スマン。ちょっと抱きしめる力が強すぎたか。 いや、突如現れたゆっくりらんしゃまと、俺。どちらを優先すべきか迷っているらしい。 ものすごく不本意だ。 そういえば、と俺はちぇんを小脇に抱えたまま、ご都合主義空間からバズーカ砲のようなものを取り出した。 それは谷河童から大枚をはたいて買った弾幕マシーンで、俺はそれをらんしゃまに向けて撃つ。 キュー、キューカン、ババーァー マシンから放たれる無数の緑色ポロロッカ。 だが。 「ちぇええええええええん!」 ゆっくりらんしゃまは一向にひるまずこちらに向かってきている! それどころか、 「少女臭だって言ってるでしょぉぉ!」 ゆっくりゆかりんが突如スキマから身を乗り出してこちらに迫ってくるではないか! 「え、何で?!」 「わ、わからないよー」 おびえる一人と一匹(?)。 「こうなったら、豆符『アブリャーゲ』!」 適当に、目標に向けて腕を振り下ろす。もう自棄だ。 何故か放たれる肌色のスペルカード。人間、必死になればスペルカード程度はつかえるもんなんだね。 それは一直線にゆっくりらんしゃまの額に向かい、 ぱく。 「むーしゃ、むーしゃ。しあわせー」 食われた。 「ちぇええええええええええええん!!!」 「なにぃ! 効かないだとっ?」 「永遠のじゅうななさいって言ってるでしょぉぉぉ!!!」 ひい、二つのゆっくり生命体は必死の形相でこちらに向かってきている。 絶体絶命か、と思われたとき、 なんと、俺のちぇんが立ち上がったのだ! 足がないではないか、などと野暮な突っ込みは言ってはいけない。俺のちぇんは胸をはり、本物の橙様のようなかわいらしい気迫で、迫りくる二匹に向かっていったのだ。 「凛々しいちぇんも可愛いよ可愛いよちぇん……ハッ」 俺が一瞬の間恍惚のときを過ごしていた間に、ちぇんはらんしゃまに擦り寄られていた。 しかも、 「少女臭ぅぅぅ」 俺はゆっくりゆかりんにのしかかられていた。ゆかりんの放つなんともいえないにおいは、俺の筋力を硬直させるには十分であった。 「くっ、俺のことはかまうな!にげるんだちぇん!」 俺の言葉もむなしく、先ほどまでの気迫はどこへやら、ちぇんはらんしゃまにされるがままになってしまっている。 もうだめだ……と思われたそのとき、意外な救世主が現れた。 「こら~! らんしゃま、他人のちぇんに興奮しちゃだめなの~」 そういってこちらに駆けてくるのは、八雲の式の式、橙様だ。 どうも橙様はゆっくりらんしゃまの飼い主らしい。 橙様はゆっくりらんしゃまと、ついでにゆっくりゆかりんを引っぺがして持ち上げた。 「どうもありがとうございました、助かりました橙様」 「いえ。私こそ、うちのゆっくりらんしゃまとゆっくりゆかりんが迷惑かけちゃって、ごめんなさいです」 そういって俺にぺこりと挨拶する橙様はなんともかわいらしかった。さすがはゆっくりちぇんの本家本元のことはある。 それでは、俺のちぇんと一緒に帰ろうとしたとき、またもや呼び止められた。 「ゆっくりちぇんは、たまにゆっくりらんしゃまとあそばせたほうがいいですよぉ~」 大きなお世話だ。俺のちぇんは俺だけのものだ。ほかの誰にも嫁にはやらん! そういうことをオブラートに包んで橙様に伝えたら、クスリ、と笑われた。 「あなたは、まるで藍様を見てるみたいです」だって。 「そんなに愛されているなんて、あなたのゆっくりちぇんは幸せ者ですね」 「ありがとうございます」 「でもほかのゆっくり種とのコミュニケーションは大事ですよ?」 「そうですか」 「あっ、そうだ!こんど八雲のおうちにゆっくりちぇんをつれて来てもらえませんか?きっと藍様も喜びます」 八雲藍さまだと? ゆっくりちぇんのトップブリーダーのあの方に? それは光栄だ。俺とちぇんのさらなる家族愛を深められるいい機会かもしれない。 しかし…… 「少し考えさせてください」 連れ立って、家路にいぞぐ俺とちぇん。 「わかるよー」ちぇんは疲れてはいたようだが、上機嫌だ。 俺はというと、先ほどまでの会話を反芻していた。 俺はちぇんにたいして過保護すぎるのだろうか? 「ちぇんや」 なに?と振り返ったちぇんに向かって聞いてみた。 「ゆっくりのともだち、ほしいかい?」 ちぇんはすこし考えた後、 「わからないよー」とつぶやいた。 俺の周りを一周し、俺の頭にぴょんと飛び乗った。 そして、 「わかるよー」とだけいい、笑ったのだった。 そうか、お前は俺の気持ちをわかってくれたのか。お前は本当にいいゆっくりだな。 ならば、俺も決断を下さなければならない。 そうやって決まった八雲一家訪問。それには、また別のエピソードがあるのだが、今日語るのはこれくらいにしておこう。 ゆっくりちぇんを飼ってみた そのさん 完 ガチでちぇんと暮らしたいんだが。可愛すぎる。 -- 名無しさん (2009-03-28 03 11 21) 愛は弾幕を越えるのかー あとゆかりんが愉快すぎるw逆に可愛い -- 名無しさん (2009-05-18 21 23 25) お兄さん限界突破w -- 名無しさん (2009-05-18 22 05 53) 第1話やこの話みたいに「わ、わからないよー」とぷるぷるしてるちぇんを想像するといろいろたまりません。 ちぇんかわいいよちぇん…… -- 名無しさん (2009-05-19 14 48 42) 作者さんの話を読んで、ちぇんが好きになりました。可愛すぎる! -- 名無しさん (2010-04-06 18 40 14) 素晴らしい。 -- 名無しさん (2010-11-25 11 44 43) 可愛すぎるちぇん。 -- 名無しさん (2012-12-02 15 17 11) ちぇん可愛い -- ちゃんかわい?って思ったやつ、屋上な。 (2012-12-22 20 26 34) 少女臭ww -- 名無しさん (2014-07-19 22 33 14) 名前 コメント
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「フム、ここでは保守というのが礼儀らしいな。なに、主と共にいられるのならば保守だろうがなんだろうが 構わないがな。それにしても主はどうしてあんな屑のような奴らも持ち合わせているのか、全く理解できない。 もちろん主がどんな輩にも心優しいのは心得ているが、バトルにおいても私一匹だけで十分だろう。そもそも 私はポケモンの頂点に立つ存在。あのような屑と同類に扱われるのは癪だが、けして同列に並ぶような存在では ないのだから主にとって必要なポケモンは私一匹であってけしてあんな屑どもと共にいることなどないのに主の 隣は常に私でどうしてあんな間抜けな面をした滓がのうのうと主の隣に近くにいるのか全くもって理解できない 上に不愉快だ主は私だけで十分なはずだ私は主にものだ私だけが主の近くにいていいんだ私だけが主の理解者で あるべきなんだ私だけが主の」 「主よ、先を急ぐのだろう? なぜ元の道を引き返すのだ? なに? 瀕死のコイツをポケセンに? ハッ、 そんな屑などそこらへんに捨てていけば良いだろう? その上、こんな低脳な奴が主の優しさを理解出 来ようはずもない。なんならそこらへんにいる人間にくれてやったらどうだ? きっとこの屑はすぐに 尻尾を振って媚びるはずだ。その程度の存在なんだこの屑は。主が慈悲をかける必要も無い。この際 だからその腰についてるモンスターボールを全て捨ててしまってはどうだ? いちいち足手まといを増 やすよりも私だけがいればさぞ旅も楽なはずだぞ? さあ主、選択するなら今だぞ? この役立たずの 屑を選ぶか? それとも主の為を思って言っている私を選ぶか? もう答えを出ているだろうが、主よ、 どっちを選ぶんだ? さあ、主。私の全てよ、選んでくれ。さあ、さあさあさあさあさあさあさあさあ」 「俺は両方とも選ぶよ」 「両方? 両方とは……フフ、そうか。また主のわざの“やさしさ”というやつか……。 まあそれも良いだろう。そうでなければ主ではない。ただ主よ、言わせて貰うがこんな屑をこれからも 庇っていくとなるとトレーナーとして限界にぶつかってしまうぞ? こんな屑を労わる所為で、こんな屑が いるせいでだぞ? 私は主がポケモンマスターになるためなら何でもする所存だ。主はマスターとなる器の 男だ。だからこそここはこの屑をここに捨てるべきだ。そうだろう? 主が私のことなら何でも知っている ように私もまた主のことなら何でも知ってる。私の一番は主で、主の一番は私のはずだ。なあそうだろう? だからこんな屑はいらないだろう? 私だけで十分だろう? ほら、主よ言ってくれ。私で十分だ。私だけで 良いと。私が一番主のことを理解してるんだ。そうだろう、主よ。私の全てよ」 「で・・でも、ヘルガーとか悪タイプのポケモン出てきたら苦戦するし・・・・ そ・・それに、こんなこと言いたくないけどミュウツー一回ヘルガーにその・・負けたわけだし みんなで力を合わせたほうがいいと思うんだ」 「そ、それは、その、ゆだっ、油断だっ! そう、油断してたんだ! 私が、あんな、あんな屑の同類に負けるはずがないだろう? ただあの時は少しだけ、少しだけ調子が悪くて、油断してしまったんだっ! そうだ、万全の状態ならけして負けはしない! 主 の期待だって裏切らない! だから私が必要ないだなんて思わないでくれ! もう主の期待に背く前などしない! この命に掛けて 誓う! だからっ、頼む主よっ、そんな、あんな人間どものように私を捨てないでくれ、頼むっ! お願いだからっ! 負けたのなら 謝る! 主が許してくれるまで、許してくれなくても良いからっ! 頼む! だからっ、私を主の許から離さないでくれ! 私がすま なかった! だからっ! ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」 主「ワガママ言うなよミュウツー、お前のこと嫌いになっちゃうぞ」 「ひっ……! きら……ああ……主、ある……いや、そんな……きらい、いや…… きら、嫌いに、主、嫌いになんて……ああ……お願い、だ……きらい、嫌いになんて…… 頼む……私は、私、主に嫌われてなんて……もう、もう全部ダメに……だから嫌いなんて お願いだ……何でもする、何でもするから。主の言うこと、喜ぶことなんでもスル。私は もう何も言わない。だから……お願いだ、嫌いだなんて……ウゥ……ああ……」 「ホントに何でもしてくれるの?」 「あ……ああっ! なんでもする! 主の為ならどんなこともする! さあ主っ、私に命令してくれ! 主の願いをすぐに叶えて見せるぞ!」 「おれ、最近溜ってるんだよね~」ニヤニヤ M「……フシギバナ」 フ「はっぱカッター」 「こっちこそごめんな。いやなこと思い出させて・・・・でもわかって欲しかった・・わかって欲しかったんだよ! 仲間が必要だって事をさ・・・・・だから、もう謝るなよ。俺はお前のこと捨てたりしないし、 嫌いになんかならないからさ・・・・」 「……それは本当か? 主よ、ほ、本当に主は私のことを嫌いにならないでくれるか? 本当なんだな? 私は、だって、いつもこんなことを言って主を困らせるのだぞ? いつもいつも主を困らせることばかり 言って、そのくせ主に嫌われでもしたら私はお終いだ。そんな私だぞ? こんな私を嫌いに、嫌いになら ないでくれるのか? いいのだぞ、こんなポケモンなどすぐに捨ててしまっても。最強などと言って苦手 なタイプのポケモンにはあっさりとやられるダメな私がいいのか? 主が望めば私はすぐにこの場で首を ねじ切って死んだって良いんだぞ? 主が望むなら、主と別れるのはとてもイヤだけれど、主に嫌われる のはそれ以上にイヤなんだ。だから主の望むようにして良いんだぞ? だから嫌いにならないでくれ、主 よ。私の全て、主よ」 「死ぬなんて言わないでよ・・・・お願いだから・・ヒッグ・・・もう絶対に死ぬなんて言わないで・・・・ もっと、自分を大切にしてよ・・・グスッ・・・ミュウツーの事が足手まといなんて思ったこと一度も 無いよ・・・・・ミュウツーが死んじゃったらすごく・・すごく悲しいから・・・ね?約束して、もう 二度と死ぬなんて言わないって・・・・約束してよ」 M「主……ああ、約束しよう。私の命、主の為にあることを」 モンスターボール内 フ「(またやってるよあの二人)」 イ「(仲良いんだねー)」 リ「は、早くセン、ターに……」
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328 名前:1/4[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 18 37 39.33 0 お題作成機より:双子、同窓会、浴衣(前編) [おー、山田。久しぶりー] 〔えー、英子ってば彼氏出来たのー〕 [あれ? 荒巻。お前、ちょっと太ったんじゃね?] 〔美衣ってば、何か前より大人っぽくなったよね~〕 「よう、委員長。ご無沙汰」 『……何で、一番に声掛けて来るのが貴方なのよ』 「そんなうんざりした顔すんなよ。卒業以来……だから、4ヶ月ぶりに会うってのにさ」 『4ヶ月ぶりだろうが何だろうが、貴方の声聞くとそういう気分になるのよ。あと、もう委 員長じゃないんだからね。私は』 「おっと、そうか。でも、ずっとそう呼んでたしなあ…… 何て呼べばいい? 音無さん…… って何か他人行儀過ぎるしなあ。かといって呼び捨ては上から目線過ぎるし。静ちゃんとか?」 『止めてよね。ちゃん付けとか気持ち悪い。貴方にそんな呼び方されるなんて吐き気がするわ』 「うーん…… じゃあ、委員長とてはどう呼んで欲しい? その呼び方が嫌だっては俺に 対してだけじゃないんだろ? 何かいい呼び名とかあるんだったら、それに従うからさ」 『そんな急に言われたって思い付かないわよ。むしろ貴方には声すら掛けて欲しくないく らいだし。あと、律花にも』 「俺だけじゃなく律花もかよ。何も俺ら双子だからって、ひとくくりにして邪険にする事 ないと思うんだけど」 『……だって、遺伝子レベルで二人ともどうしようもないし。むしろ同性なだけに、ウザ さは向こうの方が上ね』 【久しぶりに会ったってのに、ウザい呼ばわりとか……】 『え?』 【そういう冷たい人にはお仕置きだよ。えいっ!!】 ムギュッ!! 『――っっっきゃああっ!!』 【委員長こんばんわっ!! 元気してた?】 329 名前:2/4[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 18 38 22.37 0 『元気してた?じゃないわよこのバカ!! いきなり後ろから胸揉む人がどこにいるの よ!! 離しなさいってば!!』 【だって委員長ってば、卒業以来だってのに、すんごい冷たい事言ってるからさ。ここは 一つ、罰を与えなきゃなーって】 『何が罰よ。こういう事するからうっとうしいって言ってんのに。ていうか別府君。見て ないで責任持って止めなさいよ。貴方の妹でしょ?』 【あはっ。孝史ってば、女の子同士の絡みって何かエッチっぽいって見とれてるんだよね。 だったら、もうちょっと見せ付けてあげよっか?】 『なっ……!? な、何考えてるのよ。別府君のスケベ!!』 「ア、アホ!! 勝手に人の考え捏造してんなって。つか、いい加減離してやれよ」 【いやー。委員長の胸ってちょうど手の平サイズで揉み心地いいんだよね。何なら孝史も 揉んでみる? へっへへー】 『なっ……ちょっといい加減にしないと本気で怒るわよ』 「揉めるかバカ!! 痴漢で警察に逮捕されるわ。お前は身内を犯罪者にしたいのか」 【大丈夫だって。委員長だって、ホントはちょっと期待して――あいったあっ!!】 『全く……調子に乗るのもいい加減にしなさいよね。律花のバカ』 【あうううう……委員長に脛蹴られたぁ……】 「大丈夫かよ? だからいい加減止めとけって言ったのに」 【だってあの委員長が浴衣着て立ってるんだよ? 髪アップにして。高校時代、化石とい われたロングスカートに三つ編で、全く一部の隙も見せない真面目少女だったあの委員長 がこんな可愛い姿してたら襲うしかないでしょ!!】 『だからって背後からいきなり胸揉む必要ある? あと私もう委員長じゃないから!! さっき貴女の分身にも言ったけど』 「分身ってあのな……双子だけど、俺ら二卵生だから別段別れた訳じゃなくって……」 【委員長は委員長だよ。だって他にどう呼ぶの? 音無さん? 静ちゃん? 似合わないってば】 『それってどう考えても失礼じゃない? 勝手に人のキャラクター固定しないでよ』 〔あ、いいんちょだ〕 [おー。委員長ひさしぶりー] 〔元気してた委員長?〕 『……………………』 330 名前:3/4[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 18 38 55.35 0 【ほら。やっぱり委員長は委員長じゃん】 『勝ち誇って言わないでよ。全く……もういいわ。諦めた。けど、さっきの化石ってのは 撤回なさい』 【アッハハハ。それは冗談。だけど、委員長の浴衣姿ってボク、初めて見るからさ。だっ て、今まで委員長って祭りとか誘っても来なかったじゃん】 『だって私、人込みとか嫌いだもの。だけどさすがに、同窓会兼ねてみんなで七夕祭りで 会いましょうって誘われたら、そんな我がまま言えないわよ』 【いや、それはいいんだけどさ。ただ、委員長の浴衣姿可愛いねーって。孝史もそう思うでしょ?】 『ちょっと!! そこで何で別府君に振るのよ!!』 【いーじゃんいーじゃん。男の子の感想も聞きたいでしょ? ほら、孝史。委員長の浴衣 姿、どう?】 「え? いや、どうって言われても……まあ、その……よく似合ってるなって思うよ。大 人っぽくて、涼やかな印象でさ」 『えっ……』 【ほらほら。褒められてるよ、委員長。どうするどうする?】 『ど、どうするって……別にどうもしないわよ!! 別府君なんかに褒められたって…… その……嬉しくないし……』 【まーたまたぁ。照れない照れない。褒められた時くらい、素直になっちゃおうよ】 『てっ…… だから照れてもいないわよ。褒められ慣れてないから、戸惑ってはいるけど、 嬉しくないのは、その……本当だし……』 【ふーん。そなんだ。ボクは、孝史に褒められると嬉しいけどなぁ】ボソッ…… 『――――えっ……?』 【ね、ね。孝史。それじゃあ、ボクの浴衣姿はどう? 似合ってる?】 「お前のはもう家で散々見たじゃんか。今更感想なんてねーよ」 【もーっ!! またそういう事言うんだから。大体、家にいた時だってロクに感想言って 無いじゃん。ちゃんと聞かせてよね】 「だって、お前が散々迷ってなかなか決められないから、結局俺が一番似合うと思うのに したんじゃねーか。それで似合ってない訳無いだろ」 【それって、自分のセンス褒めてるだけじゃん。じゃあ聞くけど、ボクと委員長の浴衣姿 見比べて、どっちが綺麗?】 331 名前:4/5[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 18 39 42.92 0 『ちょ、ちょっと!! そこに私を巻き込まないでよね』 「うーん。お前と委員長じゃ、そりゃ委員長だろ」 【ちょっと!! 即答? それ、どーいうこと? ボクと委員長ってそんな大差付いてんの?】 『え……? い、いいわよそんなの。えっと、その……私に気を遣う必要なんてないし……』 「いやいやいや。気遣ってるとかじゃなくて、見比べてみるっていうならさ。その……委 員長の方が見た時ドキッとするっていうか、ハッとさせられるって言うか……そんな印象 があってさ」 【それって単にボクがいっつも一緒だから見慣れてるってだけじゃないの? そんなのが 評価基準なんて、何かズルいよ】 「いや。双子の兄妹だからとかそういうのは抜きにして、出来るだけ客観的に見比べても さ。委員長の方が美人ってイメージが…… お前のは何ていうか可愛いけど、まだちょっ と子供っぽいって言うか……」 『や、止めてよ。別府君にそういう事言われても、気持ち悪いだけだわ』 「えー…… ちゃんと褒めたつもりなのに。気持ち悪いって言われるの、何かショックだなあ」 『当たり前でしょ。そんな……その……別府君に褒められて嬉しく思う訳なんてないじゃない』 【ボクは孝史に褒められれば嬉しいけどなあ。ていうか、子供っぽいってどーいう事? ボ クだって一応、女子大生なんだけど。もう十分大人なんですけど】 「分かってるよ。そうムキになんなって。あくまで委員長との相対比較での話だから」 【で、どこが委員長と比べて子供っぽいって? 分かってるんだから。どーせ、おっぱい が小さいって言いたいんでしょ? 女の子の優劣を胸の大きさで判断するって、そういう のどーよ? 失礼じゃない?】 「いやいや。誰もそんな、胸がどうこう言ってる訳じゃないって。ただ、委員長って高校 時代は地味な印象しかなかったからさ。やっぱり浴衣着た時のギャップはでかいっていう か、こんなに色香があるとは思わなかったし」 【ほーら。やっぱり体つきばっかり見てるんじゃん。孝史はいっつもバカにするけどさ。 ボクだって、高校の時より成長してるんだからね】 「そんなしな作ってアピールしても意味ねーって。お前の体なんて毎日見てんだから、成 長具合なんて大体分かってるし」 332 名前:5/5[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 18 41 11.57 0 【毎日見てるからこそ、気付いてないって事もあるの。何だったら、試しに触ってみる? ほらほら】 「いーって。何が悲しくて妹の体触んなくちゃいけないんだよ。つか、お前も年頃の女な ら、むやみやたらに男に体触らせようとすんな。これだから、ガキっぽいって言われんだよ」 【孝史こそ、もしかして妹相手に照れてんじゃないの? それってもしかして、ボクがちゃ んと大人の女だって、認めてるって事】 「アホ。それとこれとは別だって――って、抱きついてくんなバカ!! 離せ暑っ苦しい」 【ほーれほれ。やっぱり照れてる。アハハ。孝史ってば、もう。ウブなんだからぁ】 〔あいっかわらず仲良いわねー。二人とも〕 [ワハハ。孝史、羨ましーぞー!!] 『…………ハァ…………』 〔あれ? 委員長、どうしたの?〕 『ごめんなさい。ちょっと人込みの熱気に当てられたみたいだから、少し休んでくるわ。 悪いけど智恵ちゃん、みんなに言っといて。少し休んだら合流するからって』 〔大丈夫? 具合悪いんだったら、救護所があるから、そっち行った方が良くない?〕 『ううん。平気よ。少し涼めば直るから。また、携帯に連絡するわ』 〔うん。じゃ、また後でね〕 続いてみたり
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いいねがほしいっていうきょく【登録タグ Relu VOCALOID い 曲 鏡音レン】 作詞:Relu 作曲:Relu 編曲:Relu 唄:鏡音レン 曲紹介 Reluです。今回マクドは奢りません。 奢らんけどでもTwitterフォローもマイリスもして欲しい。 歌詞 (PIAPROより転載) いいねが欲しい!いいねが欲しい! なんでもいいからいいねくれ 唄歌ったらいいね欲しい はい! 顔面上げたらいいね欲しい はい! イラスト描いたらいいね欲しい でも全然いいね つかへんやんか… なんでなんでなんでなんでなん? そのいいねで僕救われるんやけど なんでなんでなんでなんでなん? 別に減らんからええやんけ! 数字なんか気にしてないよ はマジでウソ 正直気になるとかいうレベルじゃない それしか頭にないないないない 人命救助やと思っていいねください ほんまに頼むわ お願いや 出来るだけいいねして フォローして 拡散して! コメント 名前 コメント
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わぁ、すごいよ 通学路、私の少し前を歩いていた彼女が街頭のオレンジの灯りの下ではしゃぎながら言った 私の目の前でゆらゆらと揺れるマフラーも彼女に従うように空中で踊っている 「もう、唯先輩転んじゃいますよ」 なんて形だけは注意をしてみたりするが、嬉しいのは私も同じだ 雪なんて今年はもう見れるとは思っていなかったから なにより――彼女とこのときを一緒にいられたことが嬉しかった 「でも、珍しいですね。もう3月だって言うのに」 「ほんとだねー。でもこれが最後になるかもしれないね」 そうですね その言葉が喉まで出かかった時、ふと自然に引っ込んでしまった 彼女がまだなにかを伝えようとしていたから 「あずにゃんと今年最後の雪見かぁ……えへへなんだか照れるね」 でもそれは私の言いたかった言葉 彼女が自分の言った言葉に恥ずかしそうに、だが嬉しそうにはにかんだ 恥ずかしいのならば、言わなければいいのに とは言わない おそらく私の顔も赤くなっていて、もし言葉にしたときそれが上擦っていたらもっと赤くなってしまうから 「でも、案外また降ることがあるかもしれませんよ」 照れ隠しには違う言葉が出た きっと、親友の一人はわたしに「もっと素直になればいいのに」というだろう でも私にはまだしばらくそうはなれそうもない 「ふふ、じゃあ、あずにゃん」 彼女がその笑みを保ちながら、振り返る 「そのときも一緒に見ようか」 彼女は卑怯だ。 そんな不意打ちをくらってはどうしようもないではないか ――だから私はゆっくりと頷く 「そうですね」 頬が熱い 雪がさきほどから私の頬にも落ちてきているが、一向にこの熱はとれそうにもない すると目の前にいた彼女の腕が私の頬にのびた と私の頬をさっと撫でるように触れると 「あずにゃん、頬に水滴がついて泣いてるみたいになってるよ」 そのまま水滴を拭うと、彼女はふと思いついた顔をした そしてそのままもう片方の手も伸ばし 「あずにゃんの頬あったかいねー」 私の頬を両の手で挟む 彼女は手袋をしていなかったため、すごく冷たい手をしていた 「もう、やめてくださいよー。ところで唯先輩」 「あったかあったか~、なに?」 「手袋はどうしたんですか?」 「えっとね、憂が忘れてきたって言ってたから、貸しちゃった」 彼女の妹――憂は私の親友の一人だ 本当に仲のいい姉妹だ。 姉は妹を常に想い、妹も姉のことを常に想っている その姉妹の仲の良さに嫉妬を覚える私は、おそらくいけない子なんだろう それを自覚しながらもなお、私はそれがとても羨ましかった 「ねぇ、あずにゃん」 「はいなんですか?」 「知ってる? 手が冷たい人は心が温かいんだよ」 彼女が右手で私の手をとった。 そして私の手袋を器用に脱がせ、自分の手を絡ませる 「つまり、唯先輩は自分の心が温かいっていいたんですね」 少し意地悪な質問をしてみた 「さぁ?あずにゃんにはどう感じるのか教えてよ」 彼女は意地悪な笑みで返した まったく……この人にはかてないなぁ 「唯先輩の手は間違いなく冷たいです」 「その先の言葉もききたいな」 私の素直じゃない心があえて避けた言葉を、彼女は嬉しそうにほしがった 「……唯先輩の心は暖かいです」 今度は自分でも驚くほど素直な言葉がでた それは私が言いたかった言葉でもある 「えへへ、そうかな~」 「もう、自分で言わせておいて照れないでくださいよ!」 本当はもう一つ言いたいことがあった だが、それを言うわけにはいかない 今回彼女の手を握ったのは、たまたま私が一緒に帰り たまたま起こった出来事なだけだ だから――この言葉を言うわけにはいかない 言えば…… ――親友の悲しそうな顔が浮かんだ 「それじゃあね、あずにゃん」 いつの間にか私達はいつものお別れの場所にきていた。雪もすでに止んでしまっている 彼女との帰路ももうおしまいだ すでに卒業してしまった彼女とはもう2度と同じ立場で同じ意味で同じ距離を歩けない 彼女はいつも私の一歩先をいってしまう ……あぁ、そういえば憂もそんなことを言っていたっけ 思い出した親友の顔は、やはりどこか寂しそうだった きっと私も今そんな顔をしているのだろうか 「はい、さようならです。先輩」 本当は さようなら なんて言いたくはなかった だってまるでもう会えないみたいではないか だから、おもいっきり微笑みながら言ってやった たまには私の素直じゃない心も役に立つ 「違うよあずにゃん。またね だよ」 今の私は一体どんな顔をしているのだろうか いや、決まっている。 きっと鏡で見たら、あとから思い出して恥ずかしい思いをするような顔をしているんだ 「はいっ、またです!!」 そうして彼女はまたヒラヒラとマフラーを揺らしながら歩いていく 今度は私とは違う方向へ 梓「―――――――」 言えなかった言葉を彼女には聞こえないように今呟いた ▼ 彼女達にとってそのマフラーと手袋は特別なものだった そんな話を彼女からもそしてまた彼女からも聞いたことがあった 彼女だけは私の気持ちを知っていた。私がそのことを告げるよりも前に それは当然なのかもしれない なぜなら彼女は、私にも彼女にも近い位置にいたのだから 「たまにとても憂のことが羨ましくおもうよ」 ふと何気ない会話の途中、ついそんな言葉がこぼれてしまった 本当は秘めておくべき言葉だった なぜなら、私も本当は彼女の気持ちをしっていたから 「えー?そうかなぁ」 彼女はそれでも笑みを絶やすことはなかった だから、必死にごまかそうと考えていたのに 「でも、私も梓ちゃんがうらやましくおもうよ」 「え?」 予想外の答えに、自分でも驚くほどマヌケな声が響いた 「梓ちゃんって、お姉ちゃんのこと大好きでしょ?」 唐突にきた言葉に私は何もいえない 「私知ってるよ。きっとお姉ちゃんも梓ちゃんが好きだよ」 私はそのとき黙ったままだった いや、黙らざるを得なかった 頭が真っ白になっていたのだから 「私は梓ちゃんがうらやましいよ」 もう一度告げたその顔はやはり微笑んでいた だから、私は何か言わなければいけない気がした 「そんなっ!! 私は憂が羨ましいよっ!! だって唯先輩に一番近いのは憂だもん」 それが本心だった 彼女とこれからも笑うためには、これだけは言っておかないといけない そう思った。だから秘めた言葉を彼女に投げつけたのだ 「そうだね……でもそれは時間制限つきの一番だよ」 そのとき彼女は微笑まなかった 少し悲しそうな眼をして、伏せるようにうつむいていた 「ねぇ、梓ちゃん?」 沈黙のあと、彼女が静寂を破った 「梓ちゃんは私のどこが羨ましかったの?」 「私は……」 あらためて考えてみれば、それはたくさんあった それを自覚した時、自分のことが嫌になった ……あぁ、私はこんなにも憂が羨ましかったんだ そのなかでも一番大きい妬みを心の奥底から引っ張り出す 私が最もうらやましく思い そしてそれは絶対に私が手に入れられないものだ 「私は、二人で仲良くマフラーを巻きあって、手袋を貸し合って……そんな光景がうらやましかった」 それは私の一番汚い部分。 それでも私は吐き出さずにはいられない 「それはきっと唯先輩と憂にしか許されないものだから……」 「そっか……」 憂が珍しく言葉をつまらせた 「でも、あの場所もきっと時限付き。だから……」 それ以上彼女はなにも言わなかった 彼女は困った顔で笑いながら、泣いていた その顔は私の大好きな人が困った顔をしたときにする顔そっくりで 私は次の言葉を失ってしまった 「ねぇ、憂……憂は私のどこがうらやましかったの?」 沈黙を破ったのは、今度はこちらだった 「私はね………きっと梓ちゃんとお姉ちゃんの関係、それ自体が羨ましかったんだとおもう」 彼女の言葉が続く 今度は彼女の番だった 「さっき言ったよね。梓ちゃんはお姉ちゃんが好きで、お姉ちゃんも梓ちゃんが好きって……」 「でも、それは……憂だって……先輩は憂のことが好きだし、憂も先輩のことが」 「違うんだよ、梓ちゃん。だって意味が……」 彼女の声のボリュームが少し大きくなった後、また萎んでいく 「私はできることなら……うんうんなんでもない……」 それは彼女の奥に隠していた本当の気持ちだろう 同時に切実な、それでも叶わないと知っていたからこそ隠していた願いなのだろう そして今一度出かかったそれはもう一度隠れてしまった 「ねぇ……憂はさっき意味が全然違うって言ったよね」 今、私は残酷なことを告げようとしてるのかもしれない きっと私は後から後悔するだろう それでも彼女は優しいからきっと―― 「姉妹同士だからってことだよね。でも、それを言うのなら私だって女だよ。認められないのは私も……」 「……」 「それに憂の気持ちはたぶん私と同じものなんでしょう!? それなら……」 駄目だ。それ以上言葉が出てこない。彼女の顔を見てしまったのならばなおさらだ こんなものは死刑宣告と一緒だ。彼女の胸に刃物をつきたてているようなものだ そしてその刃もとうとう彼女の胸にくいこみはじめている ……私はいったいなにがいいたかったんだろう 彼女自身が理屈ではわかりながらもなお眼をそらしてきたもの、私がこれ以上踏み込むことなどできない いや、もう踏み込みすぎている 「それでもいいの。私とお姉ちゃんの関係は変わることはないから」 それははたして彼女の望んだことだったのだろうか。 それとも彼女のつよがりだろうか それとも彼女の私への気遣いだろうか それとも―― 私にわかるのは、ただ彼女が悲しそうに笑っている その顔が語る真実だけだった ▼ 気付けば、私はベッドに寝転がっていた すでに時計の短針も10の位置を指している ずっと感傷的な気持ちになっていたからだろうか 私は普段襲われることのない虚無感に襲われる その原因はわかっている ……明日も会える、なんてことはないよね 彼女が学校に来ていたのも偶然だ もう来る必要もないのだ。だから次会えるのはいつかはわからない ふと枕元に置いていた携帯を手に取った 操作してだすのはアドレス帳の「ひ」の欄だ そこには上下に並んで彼女達の名前がある 後ボタン一つで彼女に電話がかかる状態までもっていく そこには彼女の名前とメールアドレス、電話番号が記されている 私の指はボタンに向かい―― 「やめた……」 第一こんな時間に電話をかけてなにを話せばいいのだろうか それもさっき別れをつげたばかりの人物に どうしようもなくなった私はゆっくりと携帯を閉じ、瞼も意識も閉じてしまおうとする ~~♪ 同時にお気に入りのメロディが流れてきた 発生源は自分の手のひらの中 私はきっと期待している この電話が彼女からであることを 「はいもしもし」 液晶の画面も見ずに通話ボタンを押した そのほうが私の期待はほんの少し長く続くから 『あ、あずにゃん!! 大変大変』 呆れた…… なんという期待を裏切らない人だろう 私が電話をかけるか迷っていたのが馬鹿らしくなってくる 「なんなんですか、こんな時間に」 『まぁ、いいから外を見てみてよ』 私は言われたとおりにするために、自室の窓へと歩み寄った そしてカーテンに手をかけ、横に引く 「これは……」 『雪だよ!!雪』 「えぇ、そうですね」 もっと言葉したいことはたくさんあったが 今はそれで充分だ 『えぇーあずにゃん、それだけなの?』 彼女のいいたいことは分かっている なぜならば、私も真っ先にそれを思い出したからだ だが、やっぱり素直じゃない私はそれを率直に言う気はないらしい 「ええ、なにかありましたっけ」 『うぅー、あずにゃんの薄情者』 電話越しに彼女が落胆しているのが面白いほどたやすく想像できた ……まったくもうしかたないんですから 「それじゃぁ、唯先輩。どこかで待ち合わせしましょうか?」 『あっ、やっぱりあずにゃん分かってたんだねー』 私は肩と頬に電話を挟むと、ハンガーに掛けていたコートへと手を伸ばす そしてそのまま姿見の前に立ち、自分の小さな体に合わせる ……変じゃないよね 『あ、ちょっとあずにゃんきいてるー?』 「はいはい、聞いてます。 で、場所はどうしましょう」 髪の毛の確認をし、服装を確認し、持ち物を確認する あとはもうこの電話を切り、ポケットの中にしまうだけだろう 「――はい、わかりました。じゃぁ、そこで」 きっと数十分後には私はまた生意気なことをいっているのだろう その場所にはそれを笑いながら受け止めてくれる人もいるのだろう そして私は透明なビニール傘と共に飛び出した 「梓」 了 2